フィットネス機能を備えたスマートウォッチ(以下、スマートウォッチ)に表示される消費カロリーは、実際の消費量より多く見積もっていることがあるようだ。フロリダ国際大学(FIU)の研究グループが、人気のある4種類のスマートウォッチの評価を行った結果、間接熱量測定による基準値と比較して、消費カロリーを実際より多く見積もる傾向があることが判明したという。FIU運動学・運動科学准教授のJason Kostrna氏らによるこの研究は、7月29日付で「PLOS One」に掲載された。Kostrna氏は、「スマートウォッチに表示される消費カロリーを正確な値だと思ってはならない。1週間で数百kcalものずれが生じ得る。消費カロリーが摂取カロリーを上回っていると思っていても、実際には容易にその反対になってしまう可能性がある」とニュースリリースで述べている。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスは、身体活動や消費カロリーを推定する目的で、運動管理や体重管理に広く利用されている。しかし、これまでの研究で、消費エネルギーの推定には大きな誤差があることが指摘されている。また、その誤差が、体脂肪率や肌の色などの影響をどの程度受けているのかは十分に検討されていなかった。そこでKostrna氏らは、4種類の市販のスマートウォッチ(Apple Watch Series 8、Fitbit Sense 2、Samsung Galaxy Watch 5、Garmin Forerunner 955)で測定した消費カロリーの推定値の精度を、間接熱量測定法による値を基準として検証した。試験に参加した18~50歳のヒスパニック系の成人58人は、4種類のスマートウォッチを装着して10分間のリカンベント式自転車運動を行い、それぞれの機器による消費カロリーの推定値を、COSMED K5を用いた間接熱量測定による基準値と比較した。運動は、推定最大心拍数の約64~76%に相当する中強度と約77~95%に相当する高強度を2分間ずつ交互に行う構成で、運動実施の前後にそれぞれ5分間の安静・回復時間が設けられた。各機器について解析対象となったのはApple Watchで52人、Fitbitで44人、Samsungで50人、Garminで51人だった。その結果、全てのスマートウォッチでかなりの誤差が認められ、絶対パーセント誤差の中央値は約15~25%だった。誤差が最も小さかったのはApple Watchだったが、それでも消費カロリーを平均21.60 kcal過大評価していた。Samsungでは平均56.76 kcal、Garminでは平均68.61 kcalの過大評価であった。Fitbitについては、測定値の約13%で基準値の450%を超えるなど非現実的な値が示された。これらの外れ値を除外すると、平均過大評価は3.14 kcalで、有意な過大評価は認められなかったが、外れ値を含めると平均128.6 kcalの過大評価となった。また、4種類のスマートウォッチの全てで、体脂肪率が高くなるほど推定誤差が大きくなる傾向が認められた。一方、今回検討した範囲では、肌の色と推定誤差との明確な関連は認められなかった。体重管理のためにこうした数値を利用している場合、このような過大評価は問題となる可能性がある。今回の結果を踏まえKostrna氏は、スマートウォッチが示す消費カロリーを正確な数値として扱わず、少なめに見積もることを助言している。また、心拍数や心拍ゾーン、自身の数値の経時的な変化に注目する方が良いとしている。研究グループは次の研究で、筋力トレーニング中の消費カロリーについて、スマートウォッチが正確に推定できるかどうかを検討する予定である。(HealthDay News 2026年9月4日) https://www.healthday.com/health-news/weight-loss/your-smartwatch-may-be-overestimating-your-calorie-burn Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock