子どもたちは毎日何時間も学校の教室で過ごすが、新たな研究によると、そこで吸い込んでいるものが肺に影響を及ぼす可能性がある。教室の埃に含まれる一般的な2種類の細菌は、小児の肺機能低下と関連することが示されたという。フェラーラ大学(イタリア)のSoutrik Banerjee氏らによるこの研究結果は、欧州呼吸器学会議(ERS Congress 2026、9月5~9日、スペイン・バルセロナ)で発表された。Banerjee氏は、「学校の教室内の空気質は、汚染物質、湿度、換気、温度、湿気、さらに真菌や細菌などの生物学的因子の影響を受けることが分かっている。しかし、教室の埃の中に存在する細菌の種類が小児の肺機能と関連しているかどうかについては、ほとんど明らかになっていない」と述べている。研究グループは今回、SINPHONIE研究で収集されたヨーロッパ22カ国、約300教室の約4,800人の小児のデータを用いて、教室の埃中のストレプトマイセス属(Streptomyces)およびマイコバクテリウム属(Mycobacterium)の細菌量と、スパイロメトリー(肺機能検査)で評価した小児の肺機能との関連を解析した。解析では、年齢、性別、BMI、受動喫煙、ペット由来のアレルゲン、社会経済的指標、校舎の築年数と地域、居住地域の大気汚染レベルを調整した。その結果、これら2種類の細菌量が多い教室で過ごす小児では、肺機能がわずかに低いことが明らかになった。具体的には、ストレプトマイセス属の細菌量が多い教室で過ごす小児では、努力性肺活量(FVC)が0.08 L低かった。FVCは深く息を吸い込んだ後にできるだけ強く吐き出した空気の量を示す。また、マイコバクテリウム属の細菌量が多い教室で過ごす小児では、最大限息を吐き出したときの最初の1秒間の呼気量を示す1秒量(FEV1)が0.06 L、できるだけ速く息を吐き出したときの最大の呼気流速を示す最大呼気流量(PEF)が0.13 L/秒低かった。研究グループは、これらの細菌への曝露が小児の気道を刺激したり免疫反応や炎症反応を引き起こしたりする可能性があるとしている。Banerjee氏はニュースリリースの中で、「これらの細菌そのものが直接、体に影響を及ぼす可能性もあるし、肺機能に影響を及ぼす他の室内環境要因を示す指標である可能性もある」と述べている。そうした他の要因には、湿気、換気、清掃方法、屋外から入ってきた埃などが考えられるという。ストレプトマイセス属とマイコバクテリウム属は、環境中に広く存在し、土壌、埃、水などから検出される。ただし、この研究は観察研究であり、この関連が何によって生じているのかを明らかにするには、さらなる研究が必要である。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年9月8日) https://www.healthday.com/health-news/pulmonology/bacteria-in-classroom-dust-linked-to-reduced-lung-function-in-kids Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock