広く使用されている糖尿病・肥満症治療薬のGLP-1受容体作動薬セマグルチドには、思いがけない利点があるかもしれない。新たな研究で、セマグルチドの使用は喘息発作の約40%の減少と関連することが示された。英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)国立心肺研究所のChloe Bloom氏らによるこの研究結果は、欧州呼吸器学会議(ERS Congress 2026、9月5~9日、スペイン・バルセロナ)で発表された。Bloom氏らはこの研究で、英国の電子医療記録を用いて、GLP-1受容体作動薬または糖尿病治療薬のスルホニル尿素薬(SU薬)を新たに開始した患者を対象に4つの研究を並行して実施し、喘息発作や慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪との関連を調べた。各研究の対象者は、2万~2万2,000人だった。Bloom氏は、「GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病と肥満の治療に広く使用されている。われわれは、リアルワールドの医療記録を用いて、GLP-1受容体作動薬を開始した喘息またはCOPDの患者で、急性呼吸器発作が少なくなるかどうかを調べたいと考えた」と述べている。その結果、GLP-1受容体作動薬の中では、オゼンピックやウゴービなどの有効成分であるセマグルチドで最も強い関連が認められ、セマグルチドの使用は、喘息発作の約40%の減少、COPD増悪の20%の減少と関連していた。その他のGLP-1受容体作動薬では、用量や肺疾患の種類にかかわらず、有意な関連は認められなかった。Bloom氏は、この結果は有望だと述べている。ただし同氏は、「現時点では、喘息またはCOPDの患者は、現在の処方指針の対象外である肺疾患の治療目的でGLP-1受容体作動薬を開始すべきではない」と付け加えている。Bloom氏は、「GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病や肥満症の治療に広く用いられている。これまでの研究では、同薬には抗炎症作用があり、肺関連の転帰を改善する可能性が示唆されている。しかし、喘息やCOPDの転帰は、GLP-1受容体作動薬の臨床試験における評価項目には含まれていなかった」と述べている。ただし、こうした呼吸器への有益な効果については、臨床試験で確認する必要がある。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年9月9日) https://www.healthday.com/health-news/pulmonology/semaglutide-linked-to-40-fewer-asthma-attacks Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Press Releasehttps://www.ersnet.org/news-and-features/news/weight-loss-injection-semaglutide-can-reduce-asthma-attacks-by-up-to-40-per-cent/