全粒穀物を乾燥重量で1日60~100 g摂取することが、複数の心代謝リスク因子の改善と関連する可能性を示した研究結果が、9月15日付で「European Heart Journal」に掲載された。論文の責任著者であるタブリーズ医科大学(イラン)のHelda Tutunchi氏は、「全粒穀物の摂取量が多いほど心臓の健康状態が良好であることは集団研究で以前から示されてきたが、臨床試験では結果が一貫していなかった。そのため、心血管の健康を実質的に改善するにはどの程度の量の摂取が必要なのかという重要かつ実用的な疑問が未解決のままであった」と述べている。全粒穀物の摂取量が多いことは心代謝疾患のリスク低下と関連することが示唆されているが、その機序については明らかになっていない。Tutunchi氏らは今回、計6,529人が参加した87件のランダム化比較試験を統合し、全粒穀物の摂取が体重、血圧、血中脂質、血糖、炎症マーカーなどの心代謝リスク因子に及ぼす影響を解析した。その結果、全粒穀物の摂取量が乾燥重量で1日48 g増えるごとに、LDLコレステロールや体重、空腹時血糖、腹囲、トリグリセライド(中性脂肪)、総コレステロール、収縮期血圧、炎症マーカーなど、複数の心代謝リスク因子の値が低下した。別の解析では、一部の評価項目で、乾燥重量で1日30~40 g程度の全粒穀物の摂取から効果が現れる傾向が認められた。多くの項目で最も大きな効果が認められたのは1日60~100 g程度の摂取だった。ただし、その摂取量は評価項目により異なり、例えばC反応性蛋白や収縮期血圧では1日60 g程度、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライドでは1日80 g程度であった。Tutunchi氏は、「全粒穀物の摂取量を増やすことは、他の生活習慣上の介入や医学的介入を補完する食事戦略であり、比較的簡単に実践でき、費用も抑えられる。本研究では、多くの項目で、1日当たり60~100 g程度の摂取時に最も大きな効果が認められたが、この量は、現在の食事摂取推奨量の上限に近い値だ。今回の結果は、既存のガイドラインを大幅に変更する必要性を必ずしも示すものではないが、人々が全粒穀物の摂取量を増やし、現在の目標値の上限に近づくための公衆衛生戦略を支持するものだ」と述べている。研究グループはさらに、オーツ麦、玄米、ライ麦では影響する心代謝リスク因子が異なる可能性が示されたことから、さまざまな種類を取り入れた食事が幅広い健康上の利益につながる可能性があると指摘している。(HealthDay News 2026年9月17日) https://www.healthday.com/health-news/nutrition/whole-grains-4-6-servings-a-day-bring-major-heart-benefits Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock