注意欠如・多動症(ADHD)のある人は、ADHDのない人と比べて消化器(GI)症状が見られるオッズが約50%高いことが、新たなエビデンスレビューで明らかになった。この関連は、便秘や過敏性腸症候群(IBS)、遺糞症など特定の消化器症状でより強く認められ、特に遺糞症ではオッズ比が高かったという。英ウォーリック大学医学部のSarah Blake氏らによる研究で、詳細は9月10日付で「Journal of Attention Disorders」に報告された。Blake氏は同大学のニュースリリースで、「便秘からIBS、さらには消化不良まで、今回調べた腸の症状のほぼ全てがADHDと関連しているようだった。こうした症状は、日常生活に影響を及ぼし得るが、ADHDそのものに注意が向けられていると見過ごされがちだ」と述べている。今回の研究でBlake氏らは、ADHDと消化器症状について検討した論文を2026年5月12日まで検索し、基準を満たした23件の研究のうち、統合可能なデータについてメタアナリシスを行った。対象者は合わせて190万人を超えた。解析の結果、ADHDの診断は、消化器症状全体および個々の消化器症状を有することのオッズ上昇と関連していた。オッズ比は、消化器症状全体で1.48(95%信頼区間1.35~1.62)、便秘で1.97(同1.49~2.61)、IBSで1.58(同1.39~1.78)、遺糞症で4.32(同2.50~7.47)だった。論文の上席著者であるウォーリック大学医学部臨床准教授のSaran Shantikumar氏は、「現時点では、ADHDがこうした腸の問題を引き起こすとは言えず、何がこの関連を生じさせているのかは正確に分かっていない。しかし、このパターンは注目に値するほど顕著だ」とニュースリリースで述べている。研究グループによると、これらの関連を説明する可能性のある要因として、以下のものが考えられるという。・衝動的な食行動や不規則な食事時間などADHDに関連する特徴が消化不良や腹部膨満感、便秘、腹痛と関連する可能性。・メチルフェニデートなどのADHD治療薬の影響。こうした中枢神経刺激薬には、食欲低下、腹痛、悪心、便秘などの副作用が報告されている。・ADHDに関連する腸内細菌叢の違いが、腸と脳の間の情報伝達に影響を及ぼしている可能性。研究グループは、ADHDの患者を診療する医師は消化器症状にも注意を払い、症状が複雑または重い場合には、管理栄養士や消化器専門医との連携を検討してみるのも選択肢の一つだとしている。またShantikumar氏は、「ADHD患者を診療する医師は、特に消化器症状が患者の生活の質(QOL)に影響を及ぼしている可能性がある場合には、そうした症状について尋ねることを検討してもよいだろう」と述べている。(HealthDay News 2026年9月15日) https://www.healthday.com/health-news/mental-health/adhd-could-raise-odds-for-gut-problems Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock