胸が大きな女性が直面する問題は、適切なサイズのブラジャーが見つかりにくいという問題よりもはるかに深刻かもしれない。新たな研究で、乳房が異常に大きくなる乳房肥大症(macromastia)の女性では、頭痛や疼痛、睡眠障害などの問題を有する可能性が高いことが明らかになった。米ウェイクフォレスト大学医学部神経学助教のKristyn Pocock氏らによるこの研究結果は、9月22日付で「Headache」に発表された。Pocock氏はニュースリリースの中で、「乳房組織の肥大は審美的な問題と考えられがちだが、今回の研究から、慢性片頭痛や首の痛み、睡眠に関連した呼吸障害など、より広範な女性の健康問題に関連している可能性が示唆された」と述べている。研究グループによると、乳房肥大症とは片側の乳房の重量が約1,000 gを超える状態をいう。片側の乳房の重量が1,500 gを超えるか、乳房の重量が女性の総体重の3%を超える場合は、巨大乳房症(gigantomastia)とされる。乳房肥大症に関連する症状には頭痛、首や背中の痛み、肩の不快感などがあり、こうした症状を軽減するために乳房縮小術を希望する女性もいる。しかし、乳房肥大症が片頭痛などの重度の頭痛や疼痛性疾患にどのような影響を及ぼすのかについては、まだ十分には解明されていなかった。今回、Pocock氏らは、2017年1月1日から2024年12月31日の間に米カリフォルニア州のスタンフォード医療センター関連の頭痛・神経科クリニックで診療を受けた女性のうち、乳房肥大症と診断された347人と、乳房肥大症ではない対照340人を対象に、頭頸部痛障害(慢性片頭痛、頸部痛、後頭神経痛、頸椎神経根症)、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の有病率を比較した。両群は、年齢、人種/民族、BMIに基づく傾向スコアマッチングによりマッチングされていた。BMI、人口統計学的特徴、併存する気分障害で調整して解析した結果、乳房肥大症の女性では対照女性と比べて、以下の疾患の有病率が有意に高かった。各疾患の調整後有病率比(aPR)は次の通り。・慢性片頭痛:aPR 1.40(95%信頼区間1.16~1.68)・頸部痛:aPR 2.04(同1.65~2.53)・頸椎神経根症:aPR 2.38(同1.39~4.06)・OSA:aPR 1.54(同1.23~1.95)また、乳房縮小術を受ける可能性の上昇に関連していたのは頸部痛のみであった(aPR 2.33、95%信頼区間1.32~4.11)。慢性片頭痛、後頭神経痛、頸椎神経根症、OSAについては、乳房縮小術を受ける可能性と関連していなかった。Pocock氏は、「この研究結果は、乳房組織の肥大が女性の痛みを伴う症状にどのように関与しているのかについて、重要な疑問を提起している」と述べている。ただし、この研究は乳房肥大症がこれらの疼痛性疾患にどのような機序で関連しているのかを明らかにするために設計されたものではないと研究グループは説明している。研究グループは、重い乳房組織によって骨格系や神経系に負担がかかっている可能性や、過度に大きな乳房が胸壁を圧迫することで、睡眠中の呼吸を妨げている可能性を指摘している。Pocock氏は、「乳房肥大症を治療することによって特定の女性で症状の軽減や生活の質(QOL)の向上がもたらされるかどうかを明らかにするためには、さらなる研究が必要だ」と述べている。(HealthDay News 2026年9月23日) https://www.healthday.com/health-news/women-health/abnormally-large-breasts-linked-to-range-of-headache-and-pain-disorders Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: larisikstefania -- Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://headachejournal.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/head.70226 Press Releasehttps://newsroom.wakehealth.edu/news-releases/2026/09/women-with-enlarged-breast-tissue-more-likely-to-experience-chronic-migraine