若年成人における脳卒中が増加している。約30年にわたる米国の大規模な人口ベースの研究で、20~54歳における脳卒中(以下、若年性脳卒中とする)の発症率がほぼ2倍になったことが明らかになった。米シンシナティ大学のEmily Fisher氏らによるこの研究結果は、9月23日付で「Neurology」に掲載された。Fisher氏は、「脳卒中は従来、高齢者の病気と考えられてきたが、今回の研究結果は、若年性脳卒中が増加傾向にあることを示している。同時に、脳卒中を発症しても生存する人(脳卒中サバイバー)も増えている。これは、脳卒中の長期的な影響を抱えながら生活する若年成人が増える可能性があるということだ」とニュースリリースで述べている。この研究では、1993年7月~1994年6月、および1999年、2005年、2010年、2015年、2020年の計6期間に、米国の5郡から成る地域で入院した脳卒中症例を特定し、若年性脳卒中の発症率、脳卒中発症後30日以内に死亡した患者の割合を示す30日症例致死率(CFR)、および脳卒中リスク因子の保有状況の経時的変化を評価した。脳卒中発症率は米国国勢調査の人口データを用い、2010年の人口構成に標準化して算出された。全対象期間を通して2,076件の初発の若年性脳卒中が発生していた。脳卒中を発症した若年成人では、高血圧、糖尿病、心房細動を有する人や、マリファナやコカインなどの物質を使用する人の割合が経時的に増加していた。例えば、物質使用の割合は1993~1994年の5%未満から2020年には約40%に増加していた。その増加の多くはマリファナ使用によるものであった。しかし、この研究では、脳卒中を発症していない人の比較可能なデータがなかったため、これらのリスク因子の増加が脳卒中発症率の上昇を説明するものかどうかを明らかにすることはできなかった。若年性脳卒中の発症率は、1993~1994年の10万人年当たり33.90件から、2020年には62.18件に上昇した。この上昇は主として、脳の一部への血流が遮断されることで起こる虚血性脳卒中の増加によるものと考えられ、その発症率は10万人年当たり23.8件から47.3件へとほぼ倍増していた。一方、55歳以上の成人での脳卒中発症率は、1993~1994年の10万人年当たり618.78件から2020年には453.04件へ低下した。若年性脳卒中の30日CFRは、1993~1994年の11.7%から2020年の9.4%へとわずかに低下した。研究グループは、若年の脳卒中サバイバーの増加に伴い、長期的な障害を抱えて生活する人も増える可能性があると指摘している。Fisher氏は、「今回の研究結果は、成人期の早い段階から脳卒中のリスク因子を特定し、管理することの重要性を浮き彫りにしている。また、こうした傾向を引き起こしている要因を理解し、この傾向を反転させる方法を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」と述べている。(HealthDay News 2026年9月25日) https://www.healthday.com/health-news/stroke/stroke-rates-nearly-double-in-younger-adults Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock