紙巻きタバコを電子タバコに切り替えれば、喘息のある子どもの喘息発作リスクを下げられると考えている喫煙中の親は、考え直した方がよいかもしれない。喘息のある子どもの4万8,000件超の受診記録を調べた研究で、家庭内に電子タバコを使用する人がいる場合、喘息発作が起こるオッズが高まることが明らかになった。米フィラデルフィア小児病院の小児科准教授であり小児科医でもあるBrian Jenssen氏らによるこの研究結果は、米国小児科学会の年次学術集会(AAP Experience、10月2~6日、米サンディエゴ)で発表された。Jenssen氏は、「多くの親は、電子タバコは自分自身の健康にとっても子どもの健康にとっても、紙巻きタバコより安全な代替品であると考えている。しかし、今回の研究結果は、喘息のある子どもについては、その考えが必ずしも成り立たないことを示唆している」と述べている。この研究では、米国の大規模な小児診療ネットワークの電子診療記録を用いて、2023年7月から2026年3月までの33カ月間に、喘息と診断された1歳以上の子どもが受診した際のデータ(受診記録のうち、6~12歳の子どもの受診が48%、女子の受診が42%)を解析した。対象となった受診のうち、5%(2,500件)では家庭内で紙巻きタバコと電子タバコの両方が使用されていた。紙巻きタバコのみの使用が報告されたのは9%(4,238件)、電子タバコのみの使用が報告されたのは3%(1,427件)であった。共変量を調整して解析した結果、家庭内で紙巻きタバコと電子タバコのいずれも使用されていない場合と比較して、両方が使用されている場合には、身体活動に伴う喘息症状(調整オッズ比1.3、95%信頼区間1.2~1.4)、夜間の喘息症状(同1.3、1.2~1.4)、短時間作用性気管支拡張薬のアルブテロールの使用(同1.2、1.1~1.3)、喘息コントロールに対する親の評価が低いこと(同1.3、1.1~1.4)、喘息管理に対する親の安心感が低いこと(同1.3、1.1~1.5)、過去1年間の入院(同1.2、1.1~1.3)、コントロールが不十分な喘息(同1.1、1.0~1.2)およびコントロールされていない喘息(同1.4、1.2~1.6)と関連していた。電子タバコのみの使用は、喘息発作(同1.3、1.1~1.4)および身体活動に伴う喘息症状(同1.4、1.2~1.5)の増加と関連していた。紙巻きタバコのみの使用は、複数の領域にわたって、比較的弱いものの有意な関連性を示した。こうした結果を踏まえてJenssen氏は、「子どもにとって、紙巻きタバコや電子タバコへの曝露に安全な水準はない。タバコ製品やニコチン製品を使用している親や保護者は、使用をやめるためにあらゆる努力をすべきだ」と述べている。また同氏は、禁煙のために電子タバコへ切り替えるのではなく、「バレニクリン、ニコチン代替療法、カウンセリングなど、科学的根拠に基づく方法」を用いるべきことを提案している。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年10月2日) https://www.healthday.com/health-news/asthma/vaping-family-members-raise-kids-asthma-risks Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Deposit Photos