入院患者のカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)のリスクを低減するための対策には、尿道カテーテル留置を知らせ、その継続の必要性を医療従事者に再評価させるリマインダー、一定期間が経過するとカテーテルの留置指示が失効する仕組みであるストップオーダー、および所定の手順に基づいて看護師の判断でカテーテルを抜去できる体制の導入などがある。しかし、米国でこれらの対策を日常的に実施している病院の割合は、米退役軍人省(VA)が運営する病院(以下、VA病院)で特に低く、非連邦政府系の病院でも低い水準にとどまっていることが、新たな研究で示された。米ミシガン大学内科学名誉教授のSanjay Saint氏らによるこの研究結果は、10月6日付で「JAMA Network Open」に発表された。今回の研究でSaint氏らは、2005年から2025年まで4年ごとに計6回実施された感染管理・予防に関する継続的な全国調査のデータを分析して、米国の病院においてCAUTIの予防に向けた取り組みが進展しているかどうかを検討した。対象となったのは、6回の調査のうち少なくとも1回に回答した計1,461施設のVA病院および非連邦政府系の病院であった。その結果、尿道カテーテル留置のリマインダー、または尿道カテーテルのストップオーダーを日常的に使用している病院は、2005年と比べると2025年では増加していたが、それでも非連邦政府系の病院では48.7%(2005年は9.1%)、VA病院では31.5%(同11.1%)にとどまっていた。同様に、看護師が尿道カテーテルを抜去できる体制を日常的に活用している病院は、非連邦政府系の病院で58.3%(2009年は11.3%)、VA病院では37.8%(同14.5%)にとどまっていた。研究論文の上席著者であるミシガン大学内科学・小児科学教授のJennifer Meddings氏は、「カテーテルの必要性を医療従事者に再評価させるリマインダーの活用状況が、近年、ほとんど改善していないことに大変驚いている。こうした対策は低コストで効果的であり、すでに多くの医療システムで電子カルテの業務フローに組み込まれているからだ」と述べている。Saint氏は、「この20年間を振り返ると、尿道カテーテルが決して無害な医療器具ではないことを病院が認識し、より慎重に使用するための仕組みを整えてきたことは心強い。しかし同時に、今回の研究結果は、こうした進歩が自然に維持されるわけではないことも示している」と述べている。Meddings氏は、病院が電子カルテシステムを活用することで、こうした予防策の実施を促進できると指摘している。同氏は、「例えば、カテーテル留置を電子カルテ上で指示する際に、臨床的に適切とされる理由に該当する場合にのみ使用するよう、医療従事者に注意を促す仕組みを設けることができる。また、体外式の集尿器具など代替手段の存在を簡単に確認できるようにすることも可能だ。こうした指示は、医療従事者が必要なときに学習したり、知識を再確認したりする機会になる。特に、多くの病院でカテーテル留置の指示の大半を出している研修医にとって、重要な学習の機会となる」と説明している。また、医師は携帯型の膀胱超音波装置で膀胱内の尿量を確認し、その結果をカテーテル留置の必要性の判断に役立てることもできる。なお、このような超音波装置を日常的に使用している病院は、2025年時点で非連邦政府系の病院で72.8%、VA病院で75.0%に上っており、リマインダーや看護師主導の尿道カテーテルの抜去に比べて実施率が高かった。(HealthDay News 2026年10月8日) https://www.healthday.com/health-news/infectious-disease/hospitals-not-taking-simple-steps-to-avoid-catheter-related-utis-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock