関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症などの自己免疫疾患による症状を、精神疾患によるもの、あるいは心理的要因によるものと誤診されたと報告する患者の割合は、男性よりも女性で高いことが、新たな研究で示された。英ケンブリッジ大学公衆衛生・プライマリケア部門のMelanie Sloan氏らによるこの研究の詳細は、10月12日付で「eClinicalMedicine」に掲載された。研究グループの一員で、自身もSLEを患う英ケンブリッジ在住の患者活動家Shaista Tayabali氏は、「自己免疫疾患患者が経験する誤診に見られる性差は極めて顕著なものだ。ヒステリーといった呼称は時代遅れとなり、幸いなことに現在はほとんど使われなくなった。しかし、女性である私たちは今でも、自分の症状が自己免疫疾患に起因するものだと信じてもらうことが難しく、その結果、適切に対処してもらえないことが少なくない」とニュースリリースで語った。研究グループによると、自己免疫疾患は疲労、痛み、睡眠障害、気分の変調など幅広い症状を引き起こすため、診断が難しいことで知られている。Sloan氏は、「自己免疫疾患の患者は医学的に説明することが難しい症状を訴えて受診することがあり、診断が確定するまでに数カ月、場合によっては数年を要することがある」とニュースリリースの中で説明している。今回の研究では、自己免疫疾患を有する6,607人の患者(女性91.2%)を対象にオンライン調査を実施し、症状の発現から自己免疫疾患と診断されるまでの期間や、その間の受診回数、患者が経験したと認識している誤診の頻度や種類を調べた。その結果、過去に自己免疫疾患による症状を精神疾患によるものと誤診された経験があると回答した人の割合は、男性で32.7%、女性で43.3%であり、症状が心理的要因によるものとの説明を受けた人の割合は、男性で21.5%、女性で33.9%だった。自己免疫疾患を有する男性患者では、女性患者と比べて別の身体疾患と誤診される割合が高かったが(男性47.6%、女性43.5%)、両群間に統計学的に有意な差は認められなかった。年齢や自己免疫疾患の種類などで調整して解析した結果、女性は男性に比べて、精神疾患、または心理的要因による症状と誤診された経験を報告するオッズが、それぞれ46%(オッズ比1.46、95%信頼区間1.14~1.87)と74%(同1.74、1.31~2.32)高いことが示された。さらに、男性と比べて女性では症状が現れてから診断を受けるまでの期間が長く、診断までの受診回数も多かった。診断までの期間で最も多く報告されたのは、男性では3カ月未満(21.2%)であったのに対し、女性では1~2年(15.7%)であった。Sloan氏は、「今回の研究結果は、自己免疫疾患の症状が精神疾患や心理的要因に起因するものだとの説明があまりにも早い段階でなされている可能性があることを浮き彫りにしている。これは男女ともに当てはまるが、特に女性がこうした誤診を受けやすいことが示唆された」と述べている。研究グループは「医師は精神疾患や心理的要因に起因する症状と診断する前に、自己免疫疾患の可能性を検討する必要がある」と結論付けている。ただし、論文の上席著者である英ガイズ病院のリウマチ専門医David D’Cruz氏は、自己免疫疾患と精神疾患が併発する場合があること、特にSLEのように脳に影響を及ぼす疾患では、自己免疫疾患そのものが精神症状を引き起こす場合もあることを指摘している。その上で、医師に対し、「重要なのは、症状が持続したり、変化していったり、複数の臓器系に及んだりする場合には、先入観にとらわれず、まだ気付かれていない自己免疫疾患が背景に存在する可能性を検討し、患者の訴えに耳を傾けることだ」と呼び掛けている。(HealthDay News 2026年10月13日) https://www.healthday.com/health-news/conditions/docs-more-likely-to-misdiagnose-autoimmune-diseases-in-women-as-mental-disorders Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock