喫煙歴のあるドナーから腎臓の提供を受けた患者では、喫煙歴のないドナーから提供を受けた患者と比較して、移植腎の機能喪失またはレシピエントの死亡を含む「あらゆる原因による移植腎喪失」のリスクが13%高いことが、新たな研究で示された。累積喫煙量が多いドナーから腎臓の提供を受けた場合には、そのリスクがさらに高かったという。米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)の小児腎臓専門医であるMachi Kaneko McBee氏らによるこの研究結果は、10月1日付で「Kidney360」に掲載された。McBee氏は、「今回の研究結果は、生体ドナーの評価やカウンセリングにおいては、喫煙歴、特に喫煙量の多さを考慮すべきことを示唆している」と述べている。喫煙は腎疾患のリスク因子として知られているが、ドナーの喫煙が腎移植後の患者の転帰にどのような影響を及ぼすのかについては、これまでの研究で一致した結果が得られていなかった。今回の研究では、米臓器調達・移植ネットワーク(OPTN)のデータを用いて、生体ドナーの喫煙歴(喫煙経験の有無、現在の喫煙状況、累積喫煙量、禁煙期間)とレシピエントのあらゆる原因による移植腎喪失、移植片機能遅延(移植後7日以内に透析を必要とする状態)、移植後1年以内の急性拒絶反応との関連を検討した。データには、2004年6月から2022年6月までに米国で生体ドナーから腎移植を受けた8万8,490人が含まれていた。解析の結果、喫煙歴のないドナーから腎臓の提供を受けた患者と比べて、喫煙歴のあるドナーから腎臓の提供を受けた患者では、あらゆる原因による移植腎喪失のリスクが13%高く(ハザード比1.13、95%信頼区間〔CI〕1.09~1.16)、移植後1年以内に急性拒絶反応が生じるオッズも18%高いことが示された(オッズ比1.18、95%CI 1.11~1.25)。また、喫煙歴のないドナーから腎臓の提供を受けた患者と比べて、現喫煙者および元喫煙者のドナーから提供を受けた患者では、移植腎喪失のリスクがそれぞれ19%(ハザード比1.19、95%CI 1.13~1.25)と10%(ハザード比1.10、95%CI 1.07~1.14)高かった。移植腎喪失のリスクが最も高かったのは、累積喫煙量が20パックイヤーを超えるドナーから腎臓の提供を受けた患者で、喫煙歴のないドナーから提供を受けた患者と比べて、以下の結果が認められた。なお、20パックイヤーとは、1日1箱(20本)のたばこを20年間吸った場合などに相当する累積喫煙量である。・あらゆる原因による移植腎喪失のハザードが29%高い。・移植片機能遅延が生じるオッズが24%高い。・移植後1年以内に急性拒絶反応が生じるオッズが31%高い。一方、元喫煙者のドナーから腎臓の提供を受けた患者では、現喫煙者のドナーから提供を受けた患者と比べて、移植腎喪失のリスクが低かった。この結果は、ドナーの腎臓提供前の禁煙がレシピエントの移植腎喪失リスクの低下につながる可能性を示唆している。ただし、禁煙期間の長さと移植腎の長期生着との間に明確な関連は認められなかった。米臓器共有ネットワーク(UNOS)によると、米国では9万人以上が腎移植を待っている。こうした状況を踏まえ、研究グループは、喫煙歴があるという理由だけでドナー候補から自動的に除外すべきではないとしている。McBee氏は、「生体ドナーからの腎移植は依然として非常に有益な治療選択肢であり、他の条件では適格と判断されるドナーを、喫煙歴があるという理由だけで自動的に除外すべきではない」と述べている。(HealthDay News 2026年10月15日) https://www.healthday.com/health-news/kidney-health/want-to-donate-a-kidney-stop-smoking-to-improve-transplant-odds-study-suggests Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock/Nutlegal