乗馬は、注意欠如・多動症(ADHD)などの精神医学的な併存症を有する自閉症の子どもの助けになる可能性が、新たな研究で示された。乗馬療法に参加した子どもでは、多動性やいら立ちが軽減したという。米コロラド大学アンシュッツ医科大学の精神医学教授で、米コロラド小児病院の臨床心理士でもあるRobin Gabriels氏らによるこの研究の詳細は、10月9日付で「Pediatrics」に掲載された。論文の筆頭著者であるGabriels氏は、「乗馬には、特に多動性が見られる子どもに役立つ何かがある。自閉症と多動性の子どもにとって、馬を用いた介入は既存の治療を補う良い方法になるかもしれない」とニュースリリースで述べている。研究グループは以前、コロラド州の乗馬療法センターで、自閉症の子どもを対象とした8~10週間の乗馬療法について検討し、乗馬療法が自閉症の子どもの多動性を軽減するという結果を得ていた。しかし、その結果が環境の異なる別の乗馬センターでも再現されるかどうかは明らかではなかった。そこで研究グループは今回、別の乗馬療法センターにおいて、メンタルヘルス上の介入を必要とする可能性が高い自閉症の子どもに対する、馬を用いた活動の効果を検証した。対象となったのは6~16歳の精神医学的な併存症を有する自閉症の子ども236人で、以下の3群のいずれかにランダムに割り付けられた。1つ目の群は乗馬療法を受け、2つ目の群は実際の馬には接触せずに厩舎で馬に関する活動を行った。この群について研究グループは、自閉症の子どもの中には、馬に乗れなかったり、まだ乗る準備ができていなかったりする子もいるため、実際の馬に接触せず、馬に関する活動を行うことでも同様の効果が得られるかどうかを検討したと説明している。3つ目の群は待機群とされた。少なくとも1回の介入に参加した169人を対象とする解析では、待機群(28人)と比べて、乗馬療法群(74人)と厩舎での活動群(67人)では、いずれもいら立ちと多動性の有意な軽減が認められた。多動性の軽減効果は、介入4週目以降、厩舎での活動群よりも乗馬療法群で有意に大きかった。さらに、待機群と比較して乗馬療法群と厩舎での活動群では、感情調節と社会的行動にも有意な改善が認められた。Gabriels氏は、「馬は相手をありのままに受け入れ、身ぶりや姿勢に反応する。そうしたやり取りは、普段とは大きく異なる環境で、コミュニケーションや感情の調節、その他のスキルを練習する機会を子どもに与える」と述べている。研究グループは、これらの結果から、馬を用いた介入は自閉症に精神医学的な併存症がある子どもの行動面の問題への対処に役立つ可能性があると結論付けている。Gabriels氏は、「馬と関わることは、自閉症の子どもに、体を動かし、人と交流し、夢中になれる活動に取り組む機会を与える。子どもによっては、従来の診療環境では教えることが難しいスキルを身に付ける上で、特に効果的な方法になるかもしれない」と述べている。(HealthDay News 2026年10月14日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/horseback-riding-eases-hyperactivity-in-kids-with-autism-study-says Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: hedgehog94 -- Adobe Stock