小児期から若年成人期にかけての抗菌薬の使用は、24歳時点で過敏性腸症候群(IBS)を有するオッズが高いことと関連する可能性が、新たな研究で示された。IBSは、腹痛や排便習慣の変化などの症状を引き起こす、一般的な消化器疾患である。サールグレンスカ大学病院およびヨーテボリ大学(スウェーデン)のJessica Sjölund氏らによるこの研究結果は、欧州消化器病学会週間(UEG Week 2026、2026年10月17~20日、スペイン・バルセロナ)で発表された。過去の研究では、IBSが抗菌薬の使用と関連することが示されているが、小児期の抗菌薬の使用と成人期のIBSとの関連については研究結果が一貫していない。また、既存のエビデンスの多くは、研究参加者の記憶に基づいて抗菌薬使用歴を把握しており、小児期を通じた抗菌薬使用の客観的な記録を用いた集団ベースの研究が不足している。Sjölund氏らは今回、スウェーデンの出生コホートBAMSEに登録されている2,853人のデータを解析した。参加者が9~11歳だった2005年から24歳時のIBS評価の1年前までの期間の抗菌薬の処方データをスウェーデン処方薬レジストリから取得し、抗菌薬の処方歴の有無、処方回数、処方された抗菌薬のクラスを調べた。その結果、24歳時点で参加者の10.0%にIBSが認められ、IBSを有する人の79.4%は女性だった。抗菌薬の処方歴がある人の割合は、IBSを有する人の方がIBSのない人よりも高かった(87.8%対80.2%)。性別と家庭の社会経済的状況を考慮して解析した結果、抗菌薬の処方歴がある人では処方歴がない人と比べてIBSを有するオッズが1.5倍であると推定された。IBSを有するオッズは処方回数が増えるほど高くなり、6回以上の処方歴がある人では、処方歴がない人の1.7倍だった。さらに、抗菌薬のクラス別に検討したところ、性別と家庭の社会経済的状況を調整した後でも、テトラサイクリン系抗菌薬の処方歴とセファロスポリン系抗菌薬の3回以上の処方歴は、IBSを有するオッズが高いことと有意に関連していた。研究グループによると、今回の結果は抗菌薬の使用とIBSとの間に関連がある可能性を支持する新たなエビデンスとなるが、抗菌薬がIBSを引き起こすことを証明するものではなく、さらなる研究が必要だとしている。Sjölund氏は、「抗菌薬は細菌感染症に対する重要な治療薬であり、使用が不可欠な場合もある。今回の研究結果に基づき、必要な場合の抗菌薬の使用を控えるべきではない」と述べた。同氏はまた、「今回の結果は、抗菌薬の不必要な処方を避けることの重要性を改めて示すものでもある」とも指摘している。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年10月20日) https://www.healthday.com/health-news/digestive-system/childhood-antibiotic-use-linked-to-irritable-bowel-syndrome Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock