40歳未満で閉経する「早発閉経」を経験した女性では、心血管疾患(CVD)の発症リスクが高く、その関連にインスリン抵抗性の増大が一部関与している可能性が、新たな研究で示唆された。米バーモント大学のZailing Xing氏らによるこの研究結果は、米閉経学会の年次総会(10月20~24日、米サンディエゴ)で発表された。Xing氏は、「インスリン抵抗性が早発閉経とCVDリスクの上昇を結び付ける重要な経路の一つである可能性を示唆した今回の研究結果は、40歳未満で閉経を経験した女性において、心血管代謝系の健康に注意を払うことの重要性を浮き彫りにしている」とニュースリリースで述べている。Xing氏らによると、早発閉経を経験する女性は全体の約1%である。これらの女性では、CVDや骨粗鬆症などのリスクが高いことが以前から知られている。今回の研究では、米国の長期追跡研究ARIC Studyに参加した、ベースライン時にCVDがなかった45~64歳の閉経後女性4,710人を対象に、平均21.4年間の追跡データを解析して、早発閉経とCVDリスクの関連、およびその関連を説明する可能性がある因子について検討した。対象者は、自己報告による閉経年齢を基に、早発閉経群(40歳未満で閉経)、早期閉経群(40~44歳で閉経)、45歳以降の閉経群に分類された。追跡期間中に1,570件のCVDイベントが発生した。解析の結果、早発閉経群では45歳以降の閉経群と比較して、CVDリスクが19%(ハザード比1.19、95%信頼区間1.04~1.35)、冠動脈疾患(CHD)のリスクが30%(ハザード比1.30、95%信頼区間1.08~1.58)高いことが明らかになった。一方、脳卒中や心不全(HF)のリスクとの関連は認められなかった。また、早発閉経群では45歳以降の閉経群と比較して、インスリン値が9.3%(p=0.001)、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRが9.9%(p=0.002)、それぞれ有意に高かった。空腹時血糖値については、統計学的に有意な差は認められなかった(p=0.38)。媒介分析では、早発閉経とCVDリスクとの関連のうち、インスリン値が19%、HOMA-IRが19.3%をそれぞれ説明する可能性が示された。一方、早期閉経群では、CVD、CHD、脳卒中、HFのいずれについても、リスク上昇との関連は認められなかった。閉経学会のメディカルディレクターであるStephanie Faubion氏は、「40歳未満で閉経した女性ではCVDリスクが高いことが知られているが、その理由は十分には解明されていない。今回の研究は、インスリン抵抗性がその背景にある生物学的経路の一つである可能性を示唆している。こうしたメカニズムの理解が深まれば、早発閉経を経験した女性に対し、長期的なCVDリスクを低減するための早期介入や個別化された予防戦略を検討する上で役立つ可能性がある」と付け加えている。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年10月22日) https://www.healthday.com/health-news/women-health/heart-risk-from-premature-menopause-linked-to-higher-blood-sugar Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Nicoleta Ionescu -- Adobe Stock