自閉症のある中高年者では、振戦や動作緩慢などのパーキンソニズム(パーキンソン病で見られるような運動症状)が認められる割合が高いことが、新たな研究で明らかになった。パーキンソニズムと診断された人の割合は、自閉症のみがある45歳以上の人で約3.8%だったのに対し、自閉症も知的障害もない人では1.6%未満だったという。米ジョージ・ワシントン大学のGregory Wallace氏らによるこの研究結果は、10月24日付で「Autism」に掲載された。これまでの研究から、自閉症がある人では、パーキンソニズムが一般集団よりも多く認められる可能性が示唆されている。Wallace氏は、「米国の中高年者を対象とする最大規模の医療保険制度のデータを用いた今回の研究から、自閉症のある成人ではパーキンソニズムが認められる傾向が強いことが示された。これは、蓄積されつつある研究結果を裏付けるものだ」と述べている。今回の研究でWallace氏らは、米国の公的医療保険制度であるメディケアとメディケイドの2017~2019年の医療費請求データを用い、45歳以上の約5697万人を、自閉症のみがある人、知的障害のみがある人、自閉症と知的障害の両方がある人、いずれもない人の4群に分けて解析した。その結果、パーキンソニズムの診断が認められた割合は、自閉症と知的障害の両方がある人で4.86%、知的障害のみがある人で4.32%、自閉症のみがある人で3.83%と、対照群の1.57%をいずれも大きく上回っていた。こうした有病率の高さは、抗精神病薬を処方された人を解析対象から除外した後も認められた。また、新たにパーキンソニズムと診断された人の年齢標準化罹患率は自閉症と知的障害の両方がある人で最も高く、自閉症のみがある人、知的障害のみがある人でも対照群を大きく上回っていた。Wallace氏は、自閉症や知的障害のある人で新たに確認されたパーキンソニズムは、以前から存在する運動機能の問題だけでは説明できない可能性があると指摘している。その上で、「したがって、医療従事者は、成人期における運動機能や運動機能上の問題について、比較の基準となる状態を明確に把握し、その後の変化を継続的に追跡することが重要だ」と述べている。Wallace氏らは、自閉症に伴う運動機能の問題がパーキンソニズムの現れやすさに関係している可能性を指摘している。また、自閉症がある人に処方される抗精神病薬などが、副作用としてパーキンソニズムを引き起こす可能性にも、医師は注意を払う必要があるとしている。研究グループは、今後は、自閉症がある人でパーキンソニズムが現れ始める年齢や、その発症を予測する要因を明らかにするための研究が必要だとしている。(HealthDay News 2026年10月28日) https://www.healthday.com/health-news/neurology/aging-people-with-autism-more-likely-to-have-parkinsons-disease-symptoms Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock