乳房再建術を希望する乳がん患者では、乳房切除後の放射線治療(PMRT)の期間を従来の5週間から3週間に短縮しても、乳房再建に関連する合併症の発生率について、従来の治療に劣らないことが、新たな臨床試験で示された。米ユタ大学の放射線腫瘍医Matthew Poppe氏らによるこの研究の詳細は、10月12日付で「Journal of Clinical Oncology」に掲載された。Poppe氏は、「今回の結果によって、臨床診療を安全に変更するための根拠が得られた」とニュースリリースで述べている。Poppe氏は、「乳房切除術(マステクトミー)と乳房再建術を受ける患者は、それだけでも困難な治療過程を経験している。今回、PMRTの期間を5週間から3週間に短縮できるという確かなエビデンスが得られたことで、患者は治療に費やす時間を減らし、経済的なストレスを軽減し、より早く日常生活に戻れるようになる。その上、合併症が増えたり、がんが治癒する可能性が低下したり、乳房再建後の整容性が損なわれたりすることもない」と話している。研究グループによると、乳房の腫瘍を切除しながら乳房を温存する乳房温存手術を受けた患者に対しては、以前から1回当たりの照射線量を増やすことで治療期間を短縮する放射線治療が行われてきた。このような照射方法を寡分割照射という。しかし、乳房切除術後に乳房再建術を受ける女性に対するPMRTにおいては、寡分割照射が再建乳房に悪影響を及ぼすことが懸念され、その導入が進んでいなかった。今回の臨床試験では、米国とカナダの209施設で、片側性の浸潤性乳がんと診断され、乳房切除術、即時または遅延乳房再建術、およびPMRTを予定している患者898人が登録された。これらの患者は、総線量50 Gyを25分割で5週間にわたり照射する群(従来型PMRT群)と、総線量42.56 Gyを16分割で3週間にわたり照射する群(寡分割PMRT群)に1対1の割合でランダムに割り付けられた。試験は非劣性試験とし、従来型PMRTによる2年間の乳房再建関連合併症発生率を25%と想定し、非劣性マージンを10パーセントポイントとして設計した。主要評価項目は乳房再建関連合併症発生率とし、合併症には、創傷治癒に関する問題、再入院、被膜拘縮、予定外の再手術、乳房再建の失敗を含めた。825人を対象に解析した結果、24カ月時点での乳房再建関連合併症の発生率は、従来型PMRT群で10.2%(41/403人)、寡分割PMRT群で12.3%(52/422人)であった。群間差は−2.1パーセントポイント(95%信頼区間−6.5~2.2)であり、乳房再建関連合併症の発生率について寡分割PMRTの従来型PMRTに対する非劣性が示された。Poppe氏は、「今回の臨床試験によって、短期放射線治療が現在の乳房再建術にどのような影響を及ぼすのかについて、これまでで最も明確な知見が得られた。放射線腫瘍医、乳腺外科医、形成外科医が患者とともに十分な情報に基づいて最適な治療法を選択するために必要な、信頼できる情報が得られた」と述べている。(HealthDay News 2026年10月23日) https://www.healthday.com/health-news/cancer/shorter-radiation-regimen-effective-for-breast-cancer-patients-undergoing-reconstruction-trial-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock