厚労省、最初の疑義解釈資料を都道府県などに送付――2024年度診療報酬改定

厚生労働省(以下、厚労省)は3月28日付で、都道府県などへの事務連絡として、2024年度診療報酬改定(以下、2024年度改定)のQ&Aに当たる疑義解釈資料その1(以下、Q&A)を送付した。Q&Aでは、医師の働き方改革や勤務環境改善に関連する診療報酬、大幅な見直しが行われた生活習慣病管理料、新設のベースアップ評価料など、告示や通知レベルでは不明な点が残っている診療報酬が多く取り上げられている。

 2024年度改定では、勤務環境の改善の一環として、特定集中治療室管理料について大きな見直しが行われた。特定集中治療室管理料1~4の施設基準として、特定集中治療室内に常時勤務している専任の医師について「専任の医師は、宿日直を行わないこと」が追加されている。

 また、救命救急入院料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料1、新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料、母体・胎児集中治療室管理料においても、「専任の医師は、宿日直を行わないこと」という施設基準が設けられている。

 生活習慣病管理料での患者署名は2回目以降省略も可

 生活習慣病管理料も大幅な見直しが行われ、検査等を包括しない「生活習慣病管理料(Ⅱ)」(333点、月1回に限る)が新設された。また、従前の生活習慣病管理料は要件を見直した上で「生活習慣病管理料(Ⅰ)」となり、点数が引き上げられている。

 Q&Aでは、「生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)」において「栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、丁寧に説明を行い、患者の同意を得ること」という算定要件が設けられたことを受け、署名の取扱いはどうなるのか――という問いに対して、「初回については、療養計画書に患者の署名を受けることが必要。ただし、2回目以降については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載した場合については、患者署名を省略して差し支えない」と回答している。

 また、「生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)」をはじめ地域包括診療加算、地域包括診療料、のリフィル処方箋交付の院内掲示の具体案についても言及し、「当該保険医療機関において、患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬が可能であること、リフィル処方箋を交付することのいずれの対応も可能であることを掲示すること」と回答。さらに、具体的な掲示内容として利用可能なポスターを公開した。

 2024年度改定では看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種の賃上げが重視され、その原資とするため、外来・在宅、入院、訪問看護、歯科外来・在宅それぞれにおいてベースアップ評価料が新設された。

 Q&Aでは、ベースアップ評価料において賃金の改善は算定開始月から実施する必要があるか――との問いに対して、「原則算定開始月から賃金改善を実施し、算定する月においては実施する必要がある」とした上で、自治体病院などを想定して「条例の改正が必要であること等やむを得ない理由により算定開始月からの賃金改善が実施困難な場合は、2024年12月までに算定開始月まで遡及して賃金改善を実施する場合に限り、算定開始月から賃金改善を実施したものとみなすことができる」と回答している。(HealthDay News 2024年4月17日)

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