厚生労働省は5月31日に開催された「新たな地域医療構想等に関する検討会」で、関係団体・有識者へのヒアリングを行った。新たな地域医療構想では、2040年頃を見据え、病院のみならず、かかりつけ医機能、在宅医療、医療・介護連携等を含めた地域の医療提供体制全体を検討する。これを受け、構成員・参考人からは、「病棟単位」から「病床単位」の機能報告の見直しや、看護小規模多機能型居宅介護事業所(以下、看多機)の機能強化などを求める意見が挙がった。
現行の地域医療構想では、病床機能報告上の病床数から2025年の病床数(病床の必要量)の推計によって、病床の機能分化・連携が進められている。しかし、その病床機能報告は「病棟単位」での都道府県への報告であるため、地域によって必要な病床機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)との間に乖離がある。これを踏まえ、「日本慢性期医療協会」は「病床単位」での機能報告をベースとすることが有用ではないかと提案した。
「日本慢性期医療協会」は、福井県で行われた病床単位での病床機能報告をヒアリングした結果、病床機能は急性期が多く、回復期は不足見込みだと判明したと説明。新たな地域医療構想に期待することとして、病床機能の転換などの考えを示した。
また、「公益社団法人日本看護協会」は、医療と介護の複合ニーズに対応した療養支援や看取りを行っている訪問看護や通いなどを組み合わせたサービス「看多機」を議題とした。看多機は現在、全国952事業所(2023年4月時点)に留まるが、2040年の利用者は130%増と、大きな伸びが見込まれると説明。その上で、訪問看護事業所と看多機の機能分化・連携の強化や、D to P with NをはじめとするICT活用などを求めた。(HealthDay News 2024年6月12日)
参考文献
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40493.html
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