長期収載品の選定療養、疑義解釈で「保険給付」のケースを明確化

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厚生労働省は7月12日付で、長期収載品の選定療養に関する初の疑義解釈資料を都道府県等に発出、送付した。内容は、長期収載品を使用する場合でも医師などが「医療上の必要性」があると認めた場合、保険給付の対象となるケースについて解説したものだ。

本年10月から、患者が後発医薬品のある長期収載品を選択した場合、差額分を自己負担する選定療養の仕組みが導入される。ただし、長期収載品を選択するにあたって、医師等が「医療上の必要性」を認める場合や、在庫状況から後発医薬品の提供が困難な場合などは、選定療養の対象外となり、保険給付の対象となる。

今回の疑義解釈資料では、まず医師が「医療上の必要性」があるとして長期収載品の処方を認めるケースを解説。具体的には、(1)長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合、(2)後発医薬品を使用した際に、副作用や他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、先発医薬品との間で治療効果に差異があった場合、(3)学会のガイドラインで後発医薬品へ切り替えないことが推奨されている場合、(4)後発医薬品の剤形では飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなど、剤形上の違いがある場合(剤形の好みでの選択は含まれない)――の4ケースを示した。

また、保険薬局の薬剤師の「医療上の必要性」の判断については、(1)、(2)、(3)に関しては、懸念点があれば医師に疑義照会することが考えられ、(4)に関しては、医師への疑義照会は要さず、薬剤師が判断することも考えられる、とした。

なお、こども医療費助成等の公費負担医療の対象者が長期収載品を希望した場合も、他の患者と同様に選定療養の対象となることが示された。(HealthDay News 2024年7月24日)

参考文献
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001275325.pdf

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