「医療機関機能」の機能報告を追加へ――新たな地域医療構想

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2040年ごろを見据えた新たな地域医療構想について検討している「新たな地域医療構想等に関する検討会」は9月6日、第8回検討会を開催し、入院医療について1回目の議論を行った。厚生労働省(以下、厚労省)は、現行の病床機能報告と併せて、新たに「医療機関機能」を設定した上で、その報告を求めることを提案し、大筋で了承された。

今回の入院医療についての議論は、病床機能、医療機関機能の2つがテーマとなった。現行の地域医療構想では、病床機能を「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つに区分し、将来の必要病床数を推計している。また、それに対応し、病床機能の報告も制度化されている。厚労省は、新たな地域医療構想においても病床機能は4区分で、状況の変化も踏まえつつ診療実績を基に推計する、との方針を示した。

「地域ごと」と「より広域」それぞれで医療機関機能を設定

それと併せて新たに、「地域ごとに求められる医療提供機能」および「より広域な観点から医療提供体制を維持するために求められる機能」において、それぞれ3つの医療機関機能を設定し、医療機関に対してその報告を求めることを提案した。この大きな目的は、地域で求められる役割を担う医療機関機能を明確にし、それを踏まえて医療機関の連携・再編・集約化を進めていくというものである。

まず、地域(二次医療圏などを想定)ごとに求められる医療提供機能は、(1)高齢者救急の受け皿となり、地域への復帰を目指す機能、(2)在宅医療を提供し、地域の生活を支える機能、(3)救急医療等の急性期の医療を広く提供する機能――の3つであり、それらを反映させた医療機関機能が設定されることになる。(1)は2040年にかけて高齢者救急が増加することを踏まえてのものだが、これに関しては2024年度診療報酬改定で地域包括医療病棟が創設されるなど、診療報酬上の対応がすでに始まっている。

また、より広域な観点から医療提供体制を維持するために求められる機能は、(1)医師の派遣機能、(2)医育機能、(3)より広範な観点で診療を担う機能――の3つである。

同検討会において、構成員からは、医療機関機能について「複数報告できるようにすることが必要である」との発言があった。それに関連して、厚労省の担当者が「より広域な観点で診療を担う機能」について、「高難度の手術、三次救急などをイメージしているが、その病院が地域で例えば『救急医療等の急性期の医療を広く提供する機能』を担っていることも当然あり得る」と説明。さまざまな発言があったものの、医療機関機能の設定や報告を求めることについては特に反対意見は出ず、大筋で了承された。(HealthDay News 2024年9月18日)

参考文献
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43400.html

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カテゴリー:医療制度

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