医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージを2024年12月末までに策定することに対応し、厚生労働省(以下、厚労省)は10月30日に開催された第7回「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」(以下、検討会)で、診療科間の偏在について、外科領域が喫緊の課題であるとして取り上げ、外科医療については集約化・重点化することで外科医師の働き方を改善する、との対応案を示した。今回の検討会では、主たる診療科別に見ると内科の医師数が2008年から2022年までに2割程度増加しているのに対して、外科の医師数はほとんど増えていないことなどを踏まえて、日本消化器外科学会、日本脳神経外科学会からのヒアリングが行われた。両学会の意見で共通するのは、医師の働き方改革・改善を念頭に、症例あるいは手術を集約化することである。日本消化器外科学会では、高度ながん手術について集約化・重点化を目指している。日本脳神経外科学会では、脳腫瘍について症例の集約化を通じた集学的診療で医療の質の改善が期待できる、と考察している。また、両学会から、手術・外科技術に対する適切な評価が必要との意見が出た。診療報酬では手術などにおいて時間外・休日・深夜加算があるが、これは制度上、医療機関に対して支払われる。日本消化器外科学会の提出資料で示された「消化器外科の明るい未来を達成するためのロードマップ」では、外科医としての適切なインセンティブを受領できるシステムの構築に向けて努力する、としている。医療提供体制のあり方について検討することが重要に今回のヒアリングなども踏まえて、厚労省は診療科間の偏在への対策について、外科医療での症例や人材の集約化・重点化を進め、外科医師の働き方の改善や治療成績の向上を図ることが喫緊の課題だと指摘した。その上で、今後の方向性については、(1)今後の医療提供体制のあり方について検討することが重要である、(2)専門研修制度における研修体制のあり方については、特に外科系では一定の症例数を確保する必要性があることから、日本専門医機構や学会などの関係者とも必要な議論を行う、(3)外科医師の長時間労働といった業務負担への配慮・支援などの観点から、別途、必要な議論を行う――との案を示した。集約化・重点化について構成員から特に反対意見はなかったが、「消化器外科や脳神経外科の病院がどんどん減っていくのだと聞いた若い医師は、都会に集まることにならないか。地域偏在を解消することになるのか」と懸念する発言があった。(HealthDay News 2024年11月13日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44759.htmlCopyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:働き方改革