厚生労働省(以下、厚労省)は、2月19日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会で、4万4,000点で保険収載が決定された「造血器腫瘍又は類縁疾患ゲノムプロファイリング検査」(以下、同検査)について2026年度診療報酬改定までの間は特例的に出来高算定とすることを提案し、中医協に了承された。同検査は、造血器腫瘍および類縁疾患の関連遺伝子を検出する体外診断用医薬品と次世代シーケンサーにて得られた塩基配列情報を解析するプログラム医療機器を組み合わせた造血器腫瘍遺伝子パネル検査である。DPC制度では、新規に保険収載された新規の医療技術も含め、原則として包括評価の対象となるため、本来は同検査も包括評価となり、検査料を別に算定することはできない。しかし、全診断群分類における1入院当たりの平均的な包括範囲出来高点数(薬剤費および材料費は除く)は約2万8,000点となり、入院中に同検査の4万4,000点を算定した場合、医療機関の負担が過大となるのではとの懸念があった。こうした懸念を受け、一般社団法人日本血液学会は、高額薬剤と同様に同検査を出来高算定とすることを求める要望書を2月3日付で厚労省に提出した。その理由として、病勢進行が早く、受診後直ちに入院治療が必要となるケースが多いことから、入院中にパネル検査を実施せざるを得ない造血器腫瘍の特性を挙げた。なお、検査料が高額になるケースは稀なため、薬剤と異なり取り扱いのルールが作られておらず、個別ケースごとの判断が求められる。今回の出来高算定は、▽急性白血病、▽非ホジキンリンパ腫、▽多発性骨髄腫・免疫系悪性新生物、▽骨髄増殖性腫瘍、▽骨髄異形成症候群、▽再生不良性貧血、▽血液疾患(その他)――が対象となる。また、厚労省の提案を受け、委員からは「医療機関の費用負担の大きさを踏まえると、高額な検査等については高額な医薬品と同等に考えていく必要性が生じていると思われる」との提言があった。(HealthDay News 2025年3月5日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51409.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:診療報酬
厚生労働省(以下、厚労省)は、2月19日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会で、4万4,000点で保険収載が決定された「造血器腫瘍又は類縁疾患ゲノムプロファイリング検査」(以下、同検査)について2026年度診療報酬改定までの間は特例的に出来高算定とすることを提案し、中医協に了承された。同検査は、造血器腫瘍および類縁疾患の関連遺伝子を検出する体外診断用医薬品と次世代シーケンサーにて得られた塩基配列情報を解析するプログラム医療機器を組み合わせた造血器腫瘍遺伝子パネル検査である。DPC制度では、新規に保険収載された新規の医療技術も含め、原則として包括評価の対象となるため、本来は同検査も包括評価となり、検査料を別に算定することはできない。しかし、全診断群分類における1入院当たりの平均的な包括範囲出来高点数(薬剤費および材料費は除く)は約2万8,000点となり、入院中に同検査の4万4,000点を算定した場合、医療機関の負担が過大となるのではとの懸念があった。こうした懸念を受け、一般社団法人日本血液学会は、高額薬剤と同様に同検査を出来高算定とすることを求める要望書を2月3日付で厚労省に提出した。その理由として、病勢進行が早く、受診後直ちに入院治療が必要となるケースが多いことから、入院中にパネル検査を実施せざるを得ない造血器腫瘍の特性を挙げた。なお、検査料が高額になるケースは稀なため、薬剤と異なり取り扱いのルールが作られておらず、個別ケースごとの判断が求められる。今回の出来高算定は、▽急性白血病、▽非ホジキンリンパ腫、▽多発性骨髄腫・免疫系悪性新生物、▽骨髄増殖性腫瘍、▽骨髄異形成症候群、▽再生不良性貧血、▽血液疾患(その他)――が対象となる。また、厚労省の提案を受け、委員からは「医療機関の費用負担の大きさを踏まえると、高額な検査等については高額な医薬品と同等に考えていく必要性が生じていると思われる」との提言があった。(HealthDay News 2025年3月5日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51409.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:診療報酬