厚生労働省(以下、厚労省)は3月21日に開催された第17回「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で、2040年を見据えた持続可能ながん医療提供体制について、高度ながん医療を「集約化」する旨の骨子案を示した。厚労省は、集約化について「医療需給」の観点と「医療技術」の観点の2つの軸に分類。医療需給の観点からは(1)医療需要は多いが医療提供体制は充足していない医療、(2)医療資源の散在により医療需要と医療提供体制のアンバランスが生じる可能性がある医療、(3)医療提供体制は充足しているが医療需要が少ない医療――を集約化することで、効率化を図る。一方、医療技術の観点からは(1)新規モダリティまたは標準化されていない高度な医療、(2)特殊な設備等を必要とする医療――を集約化し、症例数の集積による知見の蓄積や技術向上、医療資源活用の効率化を目指す考えだ。その上で、(1)都道府県またはさらに広域(国単位での確保が望ましい医療として小児がん・希少がんの中でも特に高度な専門性を有する診療など)での集約化の検討が必要な医療、(2)がん医療圏または複数のがん医療圏単位での集約化の検討が必要な医療、(3)均てん化が望ましい医療――の3段階で医療機関の区分を提案した。医療機関の提供主体としては(1)は、国立がん研究センターなど、(2)は、がん診療連携拠点病院など、(3)は、患者の身近な診療所など――を想定例とした。厚労省案を踏まえ、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本放射線腫瘍学会が手術療法、薬物療法、放射線療法での集約化すべき治療法を提案。高度ながん医療として食道切除術や粒子線治療、小児がん・希少がんの薬物療法などを挙げた。ただし、集約化には患者の専門施設へのアクセシビリティなど考慮すべき事項があるとの提言もあった。なお、6月ごろにこれらの議論を整理し、夏ごろには厚労省として都道府県に通知を発出する予定だ。(HealthDay News 2025年4月2日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_55468.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度
厚生労働省(以下、厚労省)は3月21日に開催された第17回「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で、2040年を見据えた持続可能ながん医療提供体制について、高度ながん医療を「集約化」する旨の骨子案を示した。厚労省は、集約化について「医療需給」の観点と「医療技術」の観点の2つの軸に分類。医療需給の観点からは(1)医療需要は多いが医療提供体制は充足していない医療、(2)医療資源の散在により医療需要と医療提供体制のアンバランスが生じる可能性がある医療、(3)医療提供体制は充足しているが医療需要が少ない医療――を集約化することで、効率化を図る。一方、医療技術の観点からは(1)新規モダリティまたは標準化されていない高度な医療、(2)特殊な設備等を必要とする医療――を集約化し、症例数の集積による知見の蓄積や技術向上、医療資源活用の効率化を目指す考えだ。その上で、(1)都道府県またはさらに広域(国単位での確保が望ましい医療として小児がん・希少がんの中でも特に高度な専門性を有する診療など)での集約化の検討が必要な医療、(2)がん医療圏または複数のがん医療圏単位での集約化の検討が必要な医療、(3)均てん化が望ましい医療――の3段階で医療機関の区分を提案した。医療機関の提供主体としては(1)は、国立がん研究センターなど、(2)は、がん診療連携拠点病院など、(3)は、患者の身近な診療所など――を想定例とした。厚労省案を踏まえ、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本放射線腫瘍学会が手術療法、薬物療法、放射線療法での集約化すべき治療法を提案。高度ながん医療として食道切除術や粒子線治療、小児がん・希少がんの薬物療法などを挙げた。ただし、集約化には患者の専門施設へのアクセシビリティなど考慮すべき事項があるとの提言もあった。なお、6月ごろにこれらの議論を整理し、夏ごろには厚労省として都道府県に通知を発出する予定だ。(HealthDay News 2025年4月2日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_55468.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度