政府は6月6日に開催された第7回経済財政諮問会議で「経済財政運営と改革の基本方針2025」(以下、骨太の方針2025)の原案を提示し、その中で「外国人との秩序ある共生社会の実現」を掲げた。また、同日に開催された「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」において、過去に医療費未払いなどの経歴がある外国人観光客に対しての厳格な入国審査を実施し、同じく過去に医療費未払いがあった中長期在留者に対しても、在留資格認定証明書交付申請などの審査厳格化を検討する方針を打ち出した。骨太の方針2025原案によると「外国人との秩序ある共生社会の実現」とは、海外活力の取り込みを進めつつ、国民の安心・安全を確保するため、「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」など政府横断的な司令塔体制をさらに強化し、法令遵守の徹底、制度の適正利用、透明性の確保の観点から、国内社会のグローバル化を前提としていない制度・運用全般を見直すものと定義。具体例の一つとして社会保障制度などの適正化を挙げ、「外国人の税・社会保険料の未納付防止や社会保険制度の適正な利用に向けて、未納付情報や医療費不払い情報の連携による在留審査への有効活用、外国人の保険適用の在り方等の検討を行う」と明記した。厚生労働省の2023年度「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」によると、2023年9月1日から30日までの1カ月間の追跡調査中に、在留外国人・訪日外国人旅行客・医療目的いずれかの外国人患者の受け入れ実績のある2,813病院において、516病院(18.3%)が外国人患者による未収金(請求日より1カ月経っても診療費の一部または全額が支払われていないこと)が発生していたことが報告されている。また、同調査によると、未収金があった病院のうち、病院当たりの未収金の発生件数は平均3.9件、総額は平均49.6万円に上った。なお、同調査は、G-MIS(医療機関等情報支援システム)にて、全国の医療機関に調査を依頼し、5,184病院より回答を得たものである。(HealthDay News 2025年6月18日).参考文献https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0606agenda.htmlhttps://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai22/siryou2-2.pdfhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41976.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度