厚生労働省(以下、厚労省)は、7月1日に開催された「医療DX令和ビジョン2030厚生労働省推進チーム」で、電子処方箋と電子カルテについて遅くとも2030年までに全ての医療機関で導入する目標を新たに示した。電子処方箋については、政府が2023年に策定した医療DXの推進に関する工程表で「概ね全国の医療機関・薬局に対し、2025年3月までに普及させる」としていた。しかし、2025年6月22日時点で、電子処方箋を導入しているのは、病院で13.4%、医科診療所で19.6%、歯科診療所で4.7%、薬局で82.5%と、医療機関での導入は1割程度にとどまっている。こうした現状を受け、厚労省は、「医療機関において電子処方箋の導入を進めるにあたり、電子カルテが導入されていることが重要」と指摘。その上で、「電子処方箋の新たな目標では、電子カルテ・電子カルテ情報共有サービスと一体的な導入を進めることとし、患者の医療情報を共有するための電子カルテを整備する全ての医療機関への導入を目指す」との新目標を示した。電子処方箋については(1)電子カルテ導入済の医療機関には、電子カルテを更改するタイミングなどで電子カルテ情報共有サービスへの対応とともに一体的に導入、(2)電子カルテ未導入の医療機関には、電子処方箋機能を実装する標準型電子カルテの導入または電子カルテ情報共有サービスに対応したクラウド型電子カルテとの一体的な導入――を促進する。また、電子カルテについては、現行のオンプレ型(オンプレミス型)から自院にサーバーを設置しない「クラウドネイティブ型」を基本とする廉価なものへの移行を促す。具体策としては、(1)電子カルテ導入済の医科診療所・病院には、次回更改時に電子カルテ情報共有サービス・電子処方箋に対応するシステム改修などの実施、(2)電子カルテ未導入の医科診療所・病院には、電子カルテ情報共有サービス・電子処方箋に対応できる標準化された電子カルテの導入――を進めるとした。(HealthDay News 2025年7月16日) .参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59229.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療DX