7月9日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)の薬価専門部会は、2026年度薬価制度改革について日本製薬団体連合会(以下、日薬連)など製薬関係業界9団体からのヒアリングを行った。製薬関係業界からは、薬価の引き上げや、革新的新薬の特許期間中の薬価維持や新評価の設定などの要望が寄せられた。日薬連は、物価高騰などを踏まえた経済合理性のある薬価の維持・引き上げが可能となる仕組み構築を提案。具体策として、▽革新的新薬、▽基礎的な医薬品、▽長期収載品/後発品の3カテゴリーに分類し、各々の役割に応じた分かりやすい薬価改定の仕組みの構築を求めた。日本ジェネリック製薬協会は、不採算品再算定品目の供給状況が2024年3月の579品目から2025年6月には382品目まで減少したことを報告。その上で、薬価に対する製造コストが高い低薬価品目は、物価上昇の影響が大きいことから後発医薬品の安定供給を確保する上で、持続可能な製造体制を構築していくため、薬価の引き上げを要望した。日本製薬工業協会(以下、製薬協)は、▽新規モダリティなどの革新的新薬の価値をより適切に評価できる新たな仕組みの導入、▽革新的新薬の特許期間中の薬価維持――を要望。「原価計算方式で算定される場合、革新的新薬の価値を計るイノベーションの評価が含まれていないと考える。選定の要件をどうするかを丁寧に議論したい」と述べた。また、「2024年度薬価制度改革による企業の開発動向の変化について」の追加調査結果も示された。同調査は、製薬協・米国研究製薬工業協会(PhRMA)・欧州製薬団体連合会(EFPIA)が合同で行い、加盟企業のうち35社(内資系10社、外資系25社)を対象に2025年6月に実施された。その結果、治験内容などについてPMDA(医薬品医療機器総合機構)に相談済みの製品が27件、治験に着手した製品が16件と、国内開発を進める行動変容が進行していることが報告された。このほか、日本バイオシミラー協議会は、▽バイオシミラーを薬価制度、流通で別カテゴリーとすること――などを要望。日本バイオテク協議会は、▽ウルトラオーファン加算の新設――などの検討を促した。再生医療イノベーションフォーラムは、▽早期患者アクセスのために条件および期限付き承認された再生医療等製品の公的医療保険適用の継続――などを要望した。(HealthDay News 2025年7月23日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59378.htmlCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度