厚生労働省(以下、厚労省)は9月4日に開催された第117回社会保障審議会医療部会(以下、医療部会)で、2026年度診療報酬改定の基本方針の議論のスケジュール案などを示した。基本方針をまとめるのは12月上旬となる見込みだ。 厚労省が示したスケジュールは次の通り。▽基本認識、基本的視点、具体的方向性1は9月下旬~10月上旬、▽基本認識、基本的視点、具体的方向性2は10月下旬、▽骨子案は11月下旬、▽基本方針(案)は12月上旬、▽基本方針は12月上旬発表――を、イメージ案として提出した。なお、前回の2024年度診療報酬改定における基本方針発表は2023年12月11日なので、今回のスケジュールも同様の流れとなると予想される。 また、今回の医療部会では、2024年度診療報酬改定の振り返りが行われた。診療報酬改定の基本方針は、改定に当たっての基本認識と改定の基本的視点、具体的方向性で構成され、改定項目の具体的な評価に反映される。 2024年度診療報酬改定では、基本認識として(1)物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応、(2)全世代型社会保障の実現や、医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症等への対応など医療を取り巻く課題への対応、(3)医療DXやイノベーションの推進等による質の高い医療の実現、(4)社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和――の4項目が掲げられた。 その上で、改定の基本的視点として(1)現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進、(2)ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進、(3)安心・安全で質の高い医療の推進、(4)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上――の4項目を設定し、(1)が重点課題に位置付けられた。2026年度診療報酬改定でも、さらなる賃上げへの評価が課題として議論される模様だ。(HealthDay News 2025年9月17日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62941.html Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved. カテゴリー:診療報酬