厚生労働省(以下、厚労省)は2025年12月17日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、長期収載品の選定療養費を現行の長期収載品との価格差の「4分の1」から「2分の1以上」に引き上げる方向性を示した。 厚労省は、医療上の必要性や後発医薬品の提供が困難な場合は、引き続き選定療養の対象外とすることを前提に、追加負担の水準を後発医薬品との価格差の2分の1以上に引き上げることを提案した。 論拠として厚労省は、長期収載品の選定療養の制度が開始された1カ月後の2024年11月に、医科外来・歯科外来・調剤レセプトを用いて、選定療養の対象となった件数、特別料金の分布を分析したデータを提示。選定療養の対象となったレセプトは約368万件(全体の4.9%)で、患者が負担した特別料金は1,000円未満が9割を占めた。なお、選定療養の対象となっている医薬品(1,006品目)のうち、価格差の4分の1の分布は、100円未満が908品目(90.3%)、200円未満が942品目(93.6%)、300円未満が966品目(96.0%)だった。 ただし、1万円を超えている調剤レセプト321件について、外れ値(投薬量が1,000以上の26件と価格差の4分の1が700円以上の1件)を除外して分析すると、レセプトの価格差の4分の1の平均は136.2円、投薬総量の平均は298.0個であることが判明した。このことから厚労省は、追加負担が高額になったのは価格差ではなく、投薬総量が非常に多いことや、長期処方などによる薬剤数の多さが原因として考えられると推察した。 さらに、厚労省は長期収載品の選定療養費引き上げによる患者負担額のイメージ案も提示。長期収載品の薬価が2000円、後発医薬品の薬価が1000円で長期収載品を使用する場合、現行の価格差の4分の1での患者総負担額は775円(一部負担金525円、特別料金250円)となる。長期収載品と後発医薬品の薬価を同条件とした場合、▽価格差の2分の1での患者総負担額は950円(同450円、同500円)、▽価格差の4分の3での患者総負担額は1,125円(375円、750円)、▽価格差の1分の1での患者総負担額1,300円(300円、1,000円)――となった。 こうしたデータを受け、委員からは「一般に薬剤の単価が高い小児用医薬品・希少疾病用医薬品・難病治療薬・在宅自己注射指導管理料の対象薬剤などへの配慮も必要ではないか」「価格差の多くが50円未満であることを踏まえると、患者が、あえて高額な長期収載品を希望した場合には負担を感じてもらうことも重要」などの意見が出された。(HealthDay News 2026年1月7日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67369.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved. カテゴリー:診療報酬