物価・賃金の上昇が続く中、2026年度診療報酬改定(以下、26年度改定)の本体改定率は+3.09%とすることが、2025年12月24日に行われた予算大臣折衝で決まった。今後の物価・賃金の上昇を見据えて2段階・2年度にわたっての改定率を定め、処遇改善や病院に対して重点的に配分するなど、メリハリの効いた改定となった。なお、施行は2026年6月から。 26年度改定は、診療報酬本体の改定率が+3.09%(26年度・27年度平均)で、26年度が+2.41%、27年度が+3.77%と、段階的に措置されているのが特徴である。 その半分以上に当たる+1.70%(26年度・27年度平均)が賃上げ分で、26年度が+1.23%、27年度が+2.18%と、段階的に対応する。これにより、26年度・27年度の各年度+3.2%のベースアップを図る。賃上げ分+1.70%のうち、+0.28%は、現行のベースアップ評価料の対象となっている職種だけでなく、2024年度診療報酬改定で入院基本料や初・再診料で賃上げ原資が配分された職種(40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者)なども同様に賃上げ措置の実効性が確保される仕組みを構築する。 物価対応分は+0.76%(26年度・27年度平均)で、26年度が+0.55%、27年度が+0.97%と、段階的に対応する。このうち、+0.62%(26年度+0.41%、27年度+0.82%)については、▽病院+0.49%、▽医科診療所+0.10%、▽歯科診療所+0.02%、▽保険薬局+0.01%――と、病院に対して重点的に配分している。 また、残りの+0.14%については、高度機能医療を担う病院(大学病院含む)に対する特例的な対応とする。汎用性が低くて価格競争の原理が働きにくい比較的高価な医療機器等を調達する必要があることなどを考慮した。 食費・光熱水費分は+0.09%で、入院時の食費基準額の引き上げが40円/食(患者負担については原則40円/食、低所得者については所得区分等に応じて20~30円/食)、光熱水費基準額の引き上げが60円/日(患者負担については原則60円/日、指定難病患者等については据え置き)となる。 2024年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分が+0.44%で、こちらも▽病院+0.40%、▽医科診療所+0.02%、▽歯科診療所+0.01%、▽保険薬局+0.01%――と、病院に重点的に配分する。 一方で、調剤報酬、訪問看護などの適正化・効率化として0.15%引き下げる。方法としては、(1)後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方・調剤の評価の適正化、(2)一部で高額になっている在宅医療・訪問看護関係の実態を踏まえた適正化、(3)長期処方・リフィル処方の取り組みの強化など――による効率化を図る。 以上を除く改定分が+0.25%。その内訳としての各科改定率は、▽医科+0.28%、▽歯科+0.31%、▽調剤+0.08%――となっている。 なお、薬価は0.86%引き下げ、材料価格は0.01%引き下げて、それらを合わせた「薬価等」は0.87%の引き下げとなる。 病院に重点的に配分するなどメリハリを効かせた改定に 26年度改定では診療報酬本体(+3.09%)と薬価等(-0.87%)を合わせた全体改定率(いわゆる「ネット」)が+2.22%となり、これが国民医療費や保険財政に直接的に影響する。 本体改定率が3%を超えたのは1996年度診療報酬改定(本体+3.4%)以来30年ぶりとなるが、同年度は薬価を2.6%引き下げており、全体改定率は0.8%にとどまっているのに対して、26年度改定は全体改定率が2%を超える。 なお、具体的にどのような診療報酬の改定あるいは新設によって病院に重点的に配分するかは、2026年1月からの中央社会保険医療協議会(中医協)総会で議論する。(HealthDay News 2026年1月14日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68050.html https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2026/seifuan2026/index.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.