厚生労働省(以下、厚労省)は3月19日に開催された第211回社会保障審議会医療保険部会で、「健康保険法等の一部を改正する法律案」(以下、健保法改正案)について報告し、委員からは「国民の理解が得られるように」などの意見が出された。健保法改正案は、(1)一部保険外療養の創設(OTC類似薬の保険給付範囲見直し)、(2)後期高齢者医療制度における金融所得の勘案、(3)妊娠・出産に対する支援の強化、(4)高額療養費制度の考慮事項の明確化――などが主な内容で、政府は3月13日に閣議決定し、国会に提出した。(1)は、OTC類似薬の費用の一部を保険給付外とする「一部保険外療養」を創設する。鼻炎、胃痛、痛み止め、肩こり、風邪症状などのOTC類似薬77成分(約1,100品目)を対象に、特別の料金(薬剤費の4分の1)を患者に追加負担として求めることを想定している。ただし、小児、がんや難病などの慢性疾患患者、低所得者などに対しては特別の料金について配慮措置を検討する。なお、施行は2027年3月予定だ。(2)は、後期高齢者医療制度で、上場株式の配当などの金融所得に関する「法定調書(報告書)」を、金融機関等に対し後期高齢者医療広域連合へオンライン提出する義務を課し、後期高齢者の資産を把握する。これによって、保険料の算定や窓口負担割合などの判定に公平に反映する想定だ。(3)は、出産の標準的な費用を医療保険から施設に支払い、妊婦に自己負担が生じない体制の構築などに取り組む。(4)については、「政令において支給要件等を定めるに当たって、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化する」と明文化した。施行は2026年8月1日を予定している。こうした報告を受け、委員からは特にOTC類似薬について、「OTC類似薬は患者の負担増となるので、国民、患者の理解が得られるよう丁寧な議論が必要」「本来は医療用医薬品で治療すべき患者さんが自己判断で市販薬を購入することの問題点は多くある。OTC類似薬の対象の範囲については引き続き丁寧な議論・検討を」などの要望が寄せられた。(HealthDay News 2026年4月1日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71714.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved. カテゴリー:医療制度