厚生労働省(以下、厚労省)は7月3日、「地域医療構想策定ガイドライン」(以下、GL)を公表した。新設された医療機関機能報告では、高齢者救急・地域急性期機能と急性期拠点機能を同時に報告することはできないと明文化された。GLでは、2040年頃にかけて、医療と介護の複合ニーズを抱える高齢者の増加が見込まれる一方、生産年齢人口は減少する見通しだと指摘。また、急性期医療需要は減少し、高齢者救急や在宅医療のニーズが高まるほか、医療従事者の確保も一層困難になると見込まれるとした。新設される医療機関機能では、各医療機関から(1)高齢者救急・地域急性期機能、(2)急性期拠点機能、(3)在宅医療等連携機能、(4)専門等機能、(5)医育及び広域診療機能(大学病院本院のみ)――の5つの機能のうち、遅くとも2028年度までに、各医療機関が2040年において担う医療機関機能を決定し、報告する。これまでの議論においては、複数の機能を報告可能としていたが、(1)高齢者救急・地域急性期機能と(2)急性期拠点機能については、「医療資源を多く要する医療や高齢者救急の役割分担を明確化するためのものであり、両機能を一つの医療機関が報告することはしない」とGLに明記された。今後の進捗については、2026年度から2027年度上半期にかけて医療需要や医療提供体制をデータに基づいて分析し、課題整理や構想区域の見直しを進める。その上で、2028年度までに、2040年を見据えた地域医療構想を策定。急性期拠点機能を担う医療機関の具体的な医療機関名や各医療機関が担う医療機関機能、必要病床数に加え、入院・外来・在宅医療、介護との連携、人材確保の取り組みなどについて地域医療構想調整会議で協議し、地域医療構想として策定する予定となっている。また、GLでは、急性期拠点機能について、人口規模に応じて配置する考え方を示した。人口の少ない地域では原則として1カ所を確保・維持し、地方都市や大都市では人口20万〜30万人に対して1カ所を基本とする。なお、必要病床数については、人口推計や今後の受療率の変化を反映するため、医療計画の見直しのタイミングにあわせ、2030年と2036年に、都道府県ごとの取り組み状況などを踏まえて見直しを行う。2040年の必要病床数、急性期は24万床と2025年度比で半減同日、「令和7年度病床機能報告公表データ」(以下、データ)も公開された。厚労省の「2040年の病床数の必要量の機械的試算」によると、2040年の全国での必要病床数は、合計106.9万床に上ると試算された。2025年度の病床機能報告(各医療機関が病棟単位で報告したもの)の116.4万床と比較すると、合計で9.5万床の減少が見込まれる。内訳は、高度急性期は2025年の16万床から13.4万床(2.6万床減)、急性期は50万床から24万床(26万床減)と大幅な減少が想定される。なお、新たな地域医療構想では、病床機能報告の「回復期機能」が、高齢者等の急性期と回復期の機能を併せ持つ「包括期機能」に再編される。データによると包括期は、41.6万床まで増大するとみられ、2040年の必要病床数の39%を占めると予測される。なお、慢性期は2025年の29.3万床から28万床(1.3万床減)と、ほぼ横ばいとなる見込みだ。ただし、この機械的試算結果について厚労省は「病床機能報告の集計結果と将来の病床の必要量は、各構想区域の病床数を機械的に足し合わせたものであり、また、それぞれ計算方法が異なることから、単純に比較するのではなく、詳細な分析や検討を行った上で地域医療構想調整会議で協議を行うことが重要」と、ただし書きで示し、留意を求めている。(HealthDay News 2026年7月15日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850_00014.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度