日本医療機能評価機構は、8月17日、「医療安全情報No.237」を公開。輸血用の血液製剤について患者と製剤の照合を行わないまま、別の患者に投与した事故事例2例を紹介し、注意喚起した。誤った患者への輸血については、2007年10月と2016年1月に情報提供した後、2020年1月1日から2026年6月30日の間に17件の事例が再報告されているため、今回3回目の注意喚起を行うことになった。事例1では、ICUに患者X(B型)の赤血球製剤が4単位(2バッグ)届いた際、担当看護師と医師が輸血伝票と製剤を照合した。担当看護師は、1バッグ目を患者と照合して投与を開始し、2バッグ目は専用保冷庫に入れた。その後、休憩に入る際にリーダー看護師に患者Xへの輸血について「医師との確認が済んでいる」と伝えた。リーダー看護師は、2バッグ目を投与する際、専用保冷庫には患者Xの製剤しかないと思い込み、別の患者Y(O型)の赤血球製剤を取り出した後、患者氏名を確認しなかった。リーダー看護師は、「担当看護師が患者と製剤の照合を済ませている」と思い込み、照合せずに患者Yの赤血球製剤を患者Xへ投与したことが報告されている。事例2では、病棟に患者X(O型)の血小板製剤が届き、看護師Aが輸血伝票と製剤を照合した。看護師Aが、担当看護師Bに代わって患者Xと血小板製剤を照合し、投与を開始しようとしたところ、未投与の抗菌薬に気付いた。看護師Aは、先に抗菌薬の投与を開始して血小板製剤をスタッフステーションに持ち帰り、担当看護師Bに「患者と製剤の照合が済んでいる」と伝えた。その際、担当看護師Bは、「別の患者Y(A型)に血小板製剤を投与する」と思い込んだ。担当看護師Bは、患者と製剤の照合は看護師Aが済ませているため不要と考え、患者と製剤の照合をせずに患者Xの血小板製剤を患者Yへ投与した。今回の事例を受け、日本医療機能評価機構は、投与する直前に患者と製剤を照合しなかった主な背景として、(1)輸血用血液製剤専用保冷庫には当該患者の製剤しかないと思い込んだ(複数事例で報告あり)、(2)スタッフステーションで患者のIDを手入力したことで患者と製剤を照合したつもりになった、(3)患者と製剤の照合は他の看護師が済ませているため不要と考えた――などの思い込みがあったとした。日本医療機能評価機構は、こうした事故の再発防止に向け、投与する直前にベッドサイドで、実施者が必ず患者と製剤を照合するよう呼びかけている。(HealthDay News 2026年8月26日).参考文献https://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_237.pdf Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度