厚生労働省(以下、厚労省)は8月24日に開催された第4回「医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」で、異業種などから医療関係職種へ参入する「キャリアチェンジ」について、環境を整備していく方針を示した。医療人材を安定的に養成するため、多様な人材が参入できるように学校・養成所の仕組みを見直す考えだ。厚労省が実施した「医療関係職種へのキャリアチェンジ推進モデル事業の調査結果(速報値)」によると、約7割の学校で、社会人や既資格者に対して、過去の学修内容を履修免除や単位認定の対象としていることが分かった。本調査は、2026年7月15日から29日に全国の各医療関係職種の学校・養成所1,920校を対象にWeb方式で実施され、有効回答数は1,134校だった。社会人や既資格者に対する履修免除・単位認定の実績は年間1~2単位の学校が多く、認定単位数が増えるにつれて学校数は減少していた。また、履修免除・単位認定された単位数は、学生1人当たり平均3単位程度だった。履修免除・単位認定の対象分野は、「基礎分野」が95.0%と最も多く、ほぼ全ての医療関係職種の学校・養成所で9割以上を占めていた。次いで「専門基礎分野」が55.3%、「専門分野」が35.2%と続き、専門性が高い分野になるほど履修免除・単位認定対象としている学校の割合は低くなっていた。一方で、履修免除または単位認定を導入したことによる社会人・既資格者の入学者数の変化については、「変化はなかった」が84.5%を占めた。「増加した」と回答した学校は4.7%であり、制度導入による入学者数への影響は限定的だった。このことから、履修免除・単位認定の導入が、必ずしも社会人や既資格者が働きながら学びやすい環境の整備につながっていない実態が浮き彫りとなった。また、履修免除・単位認定における学校側の課題としては、「既習単位の評価に必要なシラバス等の資料が十分に入手できない」が36.8%と最も多く、「教職員や事務職の業務負担が大きい」が33.3%、「既習単位の評価に時間を要する」が31.0%と、業務負担を課題として挙げる割合が高かった。調査結果を基に厚労省は「履修免除などの既存の制度だけでなく、社会人などが働きながら学びやすい環境を整えることも含め、養成課程の在り方を検討してはどうか」などの論点を示した。構成員らは厚労省の論点に賛同した上で、「意欲と能力のある人材が医療に参入してくれるのは歓迎だが、養成課程を柔軟化するだけで、そのような人材を獲得することができるか疑問」「社会人などの医療職種への参入には履修免除だけでは効果が薄い。夜間や週末、オンライン授業、社会人コースの構築、授業料の給付なども必要」「医療職種内でのキャリアチェンジも必要」「コメディカルの低賃金のレッテルをどう払拭していくのかが課題」などの意見が出された。(HealthDay News 2026年9月2日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75535.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:多職種連携