厚生労働省(以下、厚労省)が8月28日に公表した2025年度の医療費の動向によると、概算医療費は前年度比+2.6%の49兆2000億円となり、5年連続で過去最大を更新した。受診延日数は同−0.7%となったが、1日当たり医療費は同+3.3%となった。厚労省は、医療の高度化や受療行動の変化、高齢化などが医療費の増加に影響しているとしている。厚労省は医療費の増加要因として、前年度比2.6%増の内訳を示しており、▽人口増の影響が−0.5%、▽診療報酬改定等の影響が−0.39%、▽それ以外の影響(医療の高度化・受療行動の変化など)が+2.9%、▽高齢化の影響が+0.6%――となっていることを挙げた。診療種類別にみると、入院が19兆6000億円(+2.3%)、入院外が16兆5000億円(+1.6%)、歯科が3兆5000億円(+3.5%)、調剤が8兆8000億円(+3.9%)、訪問看護療養が8,200億円(+14.1%)となり、全てで増加した。ただし、病院種別にみると、入院・入院外ともに医療費と受診延日数の両方が増加したのは大学病院のみだった。大学病院の医療費は、入院が+6.5%、入院外が+7.5%。受診延日数の伸び率は入院が+2.7%、入院外が+0.8%となり、いずれも増加した。一方、大学病院以外では、入院・入院外の受診延日数はいずれも減少しており、病院種別による違いがみられた。診療所の主たる診療科別では、耳鼻咽喉科が−2.7%、外科が−2.5%、小児科が−2.2%と医療費が減少。受診延日数の伸び率も、それぞれ−6.7%、−5.2%、−5.9%と減少した。特に外科では、施設数の対前年度増減率が−2.6%となり、次に増減率が大きい産婦人科の−0.8%と比べても、施設数の減少幅が突出して大きく、受診延日数の変化には施設数の変動が影響していると考えられる。年齢階級別の1人当たり薬剤料(保険外併用療養費の自己負担額・DPCを始めとする薬剤費が包括して算定される場合の薬剤料は含まず)の伸び率について薬効分類別に影響度をみると、若年層では中枢神経系用薬や化学療法剤が、中高齢者層では腫瘍用薬が、1人当たり薬剤料の伸びに大きく影響していた。なお、1人当たり薬剤料は80~85歳がピークとなっており、特に腫瘍用薬・その他の代謝性医薬品の薬剤料が大きくなっている。75歳以上の医療費は20兆3000億円、全体の4割超を占める年齢別では、75歳以上の医療費が20兆3000億円(+3.9%)で全体の41.3%を占めた。また、75歳以上の1人当たり医療費は98万9000円と、75歳未満の1人当たり医療費の26万1000円の約3.8倍となった。都道府県別では、医療費総額の伸び率が最も大きかったのは東京都の+4.0%で、入院・入院外の医療費もそれぞれ最も大きな伸び率となった。調剤医療費では、福井県の伸び率+8.8%が最大となっている。福井県では、大規模な病院の院外処方が進んだことが調剤医療費の増加に影響しているとみられる。なお、全体的に、関東圏・沖縄県で医療費の伸びが大きくなっており、東北地方や山口県、徳島県では伸びが小さくなっている傾向が明らかとなった。(HealthDay News 2026年9月9日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/25/index.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:医療制度