厚生労働省(以下、厚労省)は9月9日に開催された第656回中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、OTC類似薬(OTC医薬品[要指導医薬品、一般用医薬品]との代替性が特に高い医療用医薬品)において患者に対し薬剤費の4分の1を「別途の負担」として求める新制度について、「一部保険外療養」欄を追加した処方箋の見直し案や簡易なチェックシートの作成などを提案した。新制度については、OTC類似薬を使用する場合、医師が診断を踏まえ、患者が別途の負担の対象・対象外に該当するかを判断する。中間とりまとめを巡っては、中医協をはじめ、患者団体、医療保険部会、パブリックコメントなどで、「別途の負担を求めない者と療養の範囲」について、対象・対象外となるケースの分かりにくさや医療現場の負担増などに関する意見が相次いでいた。こうした意見を受け、厚労省は、円滑な制度運用に向けた具体策として、療養担当規則を見直し、処方箋様式を変更することを提案。医師や薬剤師が判断できるように「一部保険外療養」欄を追加し、新制度が開始される2027年3月以降に対象医薬品を処方する場合は、別途の負担の対象となる場合は「○」を、対象外の場合は「ー」を処方箋に記載する。また、長期収載品の選定療養の対象であり、かつ、OTC類似薬の対象となる場合は、長期収載品の選定療養の特別の料金を免除することも示した。さらに、別途の負担の計算方法として、対象医薬品の価格の4分の1×投薬全量で計算することも明示した。別途の負担の対象となる薬価4分の1の部分と、保険外併用療養の支給対象となる薬価4分の3の部分を切り分け、別途の負担部分と保険対象の部分をそれぞれ別に計算して患者の負担額を算出する。このほかの具体策として、電子カルテを使用する医療機関に対して、▽対象医薬品に係る薬剤コード、▽医療用医薬品とOTC医薬品の効能・効果が対応しない傷病名の一覧、▽レセプトに記載する別途の負担を求めない理由の標準例等の電子カルテ・レセプトコンピュータのベンダーなどの改修に資する情報の公表――などを行うと説明。医師の負担を軽減する仕組みをベンダー各社が構築できるよう、国による必要な情報提供に努めるとした。一方、紙カルテを使用する医療機関に対しては、(1)処方する医薬品が対象成分に該当し、効能・効果と対応するか、(2)患者または療養が別途の負担を求めない要件に該当するか――を順に確認できる「簡易なチェックシート」を厚労省で作成することを提案した。なお、電子カルテ・紙カルテ共通の対応として、一覧表・チェックシートは、制度開始前に医療機関や薬局、システムベンダーに提供し、十分な準備期間を確保するとした。また、「全国共通のQ&A」「具体的な事例」「処方箋・レセプトへの記載方法」「患者説明用資料」なども厚労省で順次作成・公表する考えを示した。厚労省案に対し、委員からは「電子処方箋にもきちんと対応していただきたい。今後の実装において現場で運用可能であるかどうか入念に検証し、不具合があれば処方箋様式を直ちに見直す対応を図ることは必要不可欠」などの意見が出された。(HealthDay News 2026年9月16日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76086.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved. カテゴリー:医療制度