厚生労働省(以下、厚労省)は10月1日に開催された第217回「社会保障審議会医療保険部会」で、高齢者の医療費窓口負担割合の見直しについて論点を提示。原則3割負担の現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点からの検討を促した。厚労省は、応能負担の論拠として、後期高齢者の所得区分別人数の推移を報告。「後期高齢者医療毎月事業状況報告(事業月報)令和7年4月及び令和8年4月」によると、2026年4月の所得区分別の被保険者数を前年同月と比較した場合、現役並み所得者の区分で+9.1%、一般Ⅱの区分で+10.1%と大きな伸びを示した。また、「医療保険に関する基礎資料(令和5年度)」によると、後期高齢者(後期高齢者医療制度の被保険者)の1人当たり医療費は若人(後期高齢者医療制度以外の医療保険加入者)の3.8倍に上り、このうち、入院では6.4倍、外来では2.8倍だったことも報告された。ただし、現役並み所得を有する後期高齢者の医療給付費には公費負担がなく、その分は現役世代の支援金によって賄われている。このため、「現役並み所得」の対象拡大のみを行う場合、現役世代の支援金の負担が増加する課題を厚労省は論点として改めて示した。厚労省は、高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得者が多いといった家計の状況なども踏まえ、必要な受診が確保されるよう適切な配慮を講じるとした。その上で、外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引き上げなど、窓口負担の抜本的な見直しについては、「現役世代の負担軽減の観点からの公費負担のあり方とともに総合的に検討を行う」と明文化した。このほか、参考人として招かれた「日本退職者連合」「日本退職公務員連盟」「認知症の人と家族の会」の3団体からは、高齢者の医療費窓口負担割合の見直しが、受診控えや介護保険の利用者負担と同時期の見直しによる生活困窮につながる可能性があるとの懸念が示された。(HealthDay News 2026年10月14日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76502.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved. カテゴリー:医療制度