政府は10月9日、過労死・過労自殺の現状や国が進める対策をまとめた「令和8年版過労死等防止対策白書」(以下、過労死白書)を閣議決定した。過労死白書によると、医療従事者の精神障害の労災認定が近年、増加していることが明らかとなった。過労死白書では、重点業種等の労災支給決定事案について調査。その中で、医療従事者の精神障害の平均事案数について2012年度以降の推移を3年度ごとに集計・分析した。その結果、2012~2014年度の16.3件に対し、2021~2023年度は59.3件となり、約3.6倍に増加した。労災認定された具体的な出来事(2012~2023年度)については、「業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が33.6%と最多だった。精神障害に係る労災請求件数の推移(自殺以外)を業種別にみると、2025年度は「医療、福祉」が1,254件で首位となり、次位の建設業の813件と比較しても著しく多いことが分かった。また、業種を中分類した場合、特に「社会保険・社会福祉・介護事業」の件数が最も多いことが判明した。さらに、「医療、福祉」における労災決定件数の出来事別推移によると、「対人関係」の件数が最も多いことが明らかとなった。このほか、過労死白書では、2022年度および2023年度に支給決定された精神障害の労災認定事案を対象に、カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)に関連する事案を分析した。2022年度は、カスハラが含まれる可能性のある220件から、職場外の第三者による加害行為が認められた事案220件から83件を抽出。2023年度は、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」と認められた60件を分析対象とした。このうち、心理的負荷の強度は「中」が6件、「強」が54件だった。分析対象となった事案では、発症時の平均年齢は40歳前後で、女性が約8割を占めた。業種別では「医療、福祉」が最多となり、2022年度は60.2%、2023年度は66.7%だった。職種別では「専門的・技術的職業従事者」が最も多かった。疾患別では、2022年度は「心的外傷後ストレス障害」が28.9%と最も多く、次いで「適応障害」が22.9%の順となった。2023年度は「適応障害」が31.7%で最も多く、「急性ストレス反応」と「心的外傷後ストレス障害」が、それぞれ20.0%だった。(HealthDay News 2026年10月21日).参考文献https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/karoushi/26/index.html Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.カテゴリー:行政からの情報公開・通達