頭痛がドライアイの発症リスクを上昇させる可能性のあることが、「Annals of Medicine」に10月19日掲載されたシステマティックレビューとメタアナリシスの結果から示された。.複数の観察研究の結果から、頭痛がある患者でドライアイを発症しやすいことが示されているが、詳細については明らかにされていない。そこで、大連医科大学(中国)のShuyi Liu氏らは、頭痛がドライアイの発症リスクと関連しているかどうかを検討するため、PubMed、Cochrane Library、EMBASE、Web of Scienceの各データベースに2022年5月12日までに掲載された文献のシステマティックレビューを行い、11件の研究(コホート研究1件、症例対照研究4件、横断研究6件;対象者357万5,957人)を抽出した。頭痛全体と、頭痛のタイプ別(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)に調整済みオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を求めた。また、研究のタイプ・地域別にサブグループ解析も行った。研究間の異質性はχ2検定とI2検定で評価した。.ランダム効果モデルを用いた統合解析の結果、頭痛全体とドライアイのリスク上昇との間に関連が見られた(OR 1.586、95%CI 1.409~1.785、I2=89.3%、P<0.001)。頭痛のタイプ別で見ても、片頭痛でOR 1.503(11件の研究:95%CI 1.369~1.650、I2=81.8%、P<0.001)、緊張型頭痛でOR 1.610(1件:同1.585~1.635、P<0.001)、群発頭痛でOR 2.120(1件:同1.104~4.073、P=0.024)と、いずれもドライアイのリスク上昇と関連していた。研究のタイプ別では、横断研究とコホート研究に比べて、症例対照研究でドライアイのリスクがわずかに高いことが分かった(それぞれOR 1.600、1.440、1.707)。地域別では、米国、欧州、アジア、オセアニアのいずれの地域においても、頭痛全体とドライアイの発症リスク上昇との関連が認められた(それぞれOR 1.579、2.158、1.410、2.960)。.著者らは、「今回の研究結果から、特に片頭痛患者で、頭痛がドライアイの発症リスクを高めることが示された。しかし、このような臨床的な現象の背後にある正確な病態生理学的プロセスを明らかにするには、関連の研究がさらに必要である。本研究の結果は、ドライアイの予防と治療において重要となるだろう」と述べている。(HealthDay News 2022年11月16日).https://consumer.healthday.com/physician-s-briefing-dry-eye-2658666906.html.Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock