喫煙経験のない若年者は、電子タバコを使用すると気管支喘息のリスクが高まるという研究結果が、「Preventive Medicine」10月号に掲載された。.米テキサスA&M大学のTaehyun Roh氏らは、2015年から2019年にかけて実施されたYouth Risk Behavior Surveillance System調査データを用いた横断研究を実施し、若年者の電子タバコ使用に関連する因子を特定し、また電子タバコの使用と気管支喘息との関連についても調べた。対象者はテキサス州および米国全土における13~17歳の高校生それぞれ3,042人と3万2,885人とした。多変量ロジスティック回帰モデルを用い、性別、年齢、人種、BMI、可燃性製品(煙草、葉巻、マリファナなど)の使用、その他の物質の使用、うつ病を調整し、調整済オッズ比(aOR)を算出した。.その結果、テキサス州では対象者の44.0%が電子タバコを使用したことがあり、13.4%が現在も使用していた。電子タバコの使用経験と有意な関連を有した因子としては、年齢が高いこと(aOR 1.10)、可燃性製品の使用歴(同6.45)、その他の物質の使用歴(同2.96)、およびうつ病(同1.52)が浮かび上がった。現在のタバコ使用との関連性については、女性よりも男性で(同0.66)、白人と比べてヒスパニック系(同0.33)と非ヒスパニック系黒人(同0.36)で有意に少なかったが、可燃性製品(同8.91)やその他の物質(同6.19)の使用歴がある人ではない人に比べて、いずれも有意に多かった。.米国全土では、対象者の60.6%が電子タバコを使用したことがあり、17.2%が現在も使用していた。電子タバコの使用経験に有意に関連する因子として、男性(同1.19)、可燃性製品(同14.1)やその他の物質(同1.30)の使用歴、うつ病(同2.12)が示された。現在の電子タバコの使用との関連性については、年齢が高い人(同1.09)、過体重の人(同1.28)、可燃性製品(同3.92)やその他の物質(同3.09)の使用歴を有する人で、それぞれ、そうでない人に比べて有意に多かったが、ヒスパニック系(同0.43)、非ヒスパニック系黒人(同0.56)、その他の人種(同0.79)は、白人よりも有意に少なかった。.また、電子タバコの使用経験は、テキサス州と米国全土の対象者のいずれも、可燃性製品を使用したことがない者において気管支喘息と有意に関連していた(テキサス州ではaOR 1.32、95%信頼区間1.06~1.66、米国全土では同1.18、1.02~1.37)。.著者らは、「若年者における呼吸器系の健康問題を避けるために有効と思われる介入としては、健康意識を高めること、より厳しい規制を敷くこと、精神的な健康のために別の対処法を取らせることなどが考えられる。電子タバコの有害性に関する知識を若年者に啓発することで、電子タバコを試したり、継続使用したりしないことを決意させ、思いとどまらせることができるだろう」と述べ、「今回得られた諸因子と電子タバコ使用の因果関係について、さらに縦断的研究によって明らかにする必要がある」と付言している。(HealthDay News 2023年9月26日).https://www.healthday.com/healthpro-news/child-health/physician-s-briefing-e-cigarettes-2665714071.html.Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
喫煙経験のない若年者は、電子タバコを使用すると気管支喘息のリスクが高まるという研究結果が、「Preventive Medicine」10月号に掲載された。.米テキサスA&M大学のTaehyun Roh氏らは、2015年から2019年にかけて実施されたYouth Risk Behavior Surveillance System調査データを用いた横断研究を実施し、若年者の電子タバコ使用に関連する因子を特定し、また電子タバコの使用と気管支喘息との関連についても調べた。対象者はテキサス州および米国全土における13~17歳の高校生それぞれ3,042人と3万2,885人とした。多変量ロジスティック回帰モデルを用い、性別、年齢、人種、BMI、可燃性製品(煙草、葉巻、マリファナなど)の使用、その他の物質の使用、うつ病を調整し、調整済オッズ比(aOR)を算出した。.その結果、テキサス州では対象者の44.0%が電子タバコを使用したことがあり、13.4%が現在も使用していた。電子タバコの使用経験と有意な関連を有した因子としては、年齢が高いこと(aOR 1.10)、可燃性製品の使用歴(同6.45)、その他の物質の使用歴(同2.96)、およびうつ病(同1.52)が浮かび上がった。現在のタバコ使用との関連性については、女性よりも男性で(同0.66)、白人と比べてヒスパニック系(同0.33)と非ヒスパニック系黒人(同0.36)で有意に少なかったが、可燃性製品(同8.91)やその他の物質(同6.19)の使用歴がある人ではない人に比べて、いずれも有意に多かった。.米国全土では、対象者の60.6%が電子タバコを使用したことがあり、17.2%が現在も使用していた。電子タバコの使用経験に有意に関連する因子として、男性(同1.19)、可燃性製品(同14.1)やその他の物質(同1.30)の使用歴、うつ病(同2.12)が示された。現在の電子タバコの使用との関連性については、年齢が高い人(同1.09)、過体重の人(同1.28)、可燃性製品(同3.92)やその他の物質(同3.09)の使用歴を有する人で、それぞれ、そうでない人に比べて有意に多かったが、ヒスパニック系(同0.43)、非ヒスパニック系黒人(同0.56)、その他の人種(同0.79)は、白人よりも有意に少なかった。.また、電子タバコの使用経験は、テキサス州と米国全土の対象者のいずれも、可燃性製品を使用したことがない者において気管支喘息と有意に関連していた(テキサス州ではaOR 1.32、95%信頼区間1.06~1.66、米国全土では同1.18、1.02~1.37)。.著者らは、「若年者における呼吸器系の健康問題を避けるために有効と思われる介入としては、健康意識を高めること、より厳しい規制を敷くこと、精神的な健康のために別の対処法を取らせることなどが考えられる。電子タバコの有害性に関する知識を若年者に啓発することで、電子タバコを試したり、継続使用したりしないことを決意させ、思いとどまらせることができるだろう」と述べ、「今回得られた諸因子と電子タバコ使用の因果関係について、さらに縦断的研究によって明らかにする必要がある」と付言している。(HealthDay News 2023年9月26日).https://www.healthday.com/healthpro-news/child-health/physician-s-briefing-e-cigarettes-2665714071.html.Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock