米疾病対策センター(CDC)の医療感染管理諮問委員会(HICPAC)は、2007年以来の更新となる院内感染対策に関する新しいガイドライン草案を承認する見込みだという。.しかし、CNNの報道によると、日常診療においてサージカルマスクがN95マスクと同程度に呼吸器感染症の拡大を防ぐものだと示唆するこのガイドラインは、医療従事者の健康よりも病院の利益を守るものではないかとの懸念が医療従事者から示されているという。.HICPACは、ガイドラインの更新案に関する2日間の会議を終了予定。新ガイドラインは義務ではないが、しばしば使用され、労働安全衛生局のような機関はこれを労働者の安全基準とする傾向がある。.米スタンフォード大学と南カリフォルニア大学の研究者が行った最近の調査によると、2020年初頭から2021年12月までに4,500人以上の医師が死亡しており、これはパンデミックが起こらなかった場合の予測と比べて600人以上多いという。.米ジョージ・ワシントン大学公衆衛生大学院の疫学専門家・教授であり、元労働安全衛生局長のDavid Michaels氏は、CNNの取材に対して、パンデミック中に得られた呼吸器感染症の伝播に関する知識がガイドラインに活かされていないと指摘し、「逆行している」と語っている。.CDCの委員会が根拠としている、サージカルマスクはN95マスクと同様の働きがあるとするエビデンスが、専門家にとって特に問題だという意見もある。.Michaels氏は、10月に委員会に懸念を訴えた専門家グループの1人でもあり、「委員会のメンバーは、感染対策がどのように適用されるべきかについて、先入観を持っていたと考えられる」と述べている。さらに、「委員会には、労働者保護やエアロゾルの科学的知識に関する専門家がおらず、感染対策に対する視点は病院中心もので、数十年間変わっていない」としている。.委員会の採決はCDCに送られ承認されるが、CDCはさらに検討を求める可能性もある。60日間のコメント期間を経て、再度修正されるかもしれない。最終的なガイドラインは2024年になる見込みだとCNNは報じている。(HealthDay News 2023年11月3日).https://www.healthday.com/healthpro-news/critics-slam-updated-infection-control-recommendations-for-hospitals-2.Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock