成人の高血圧の診断において、立位のみの血圧測定または立位と座位での血圧測定は、座位のみより優れるとの研究結果が、「Scientific Reports」に9月20日掲載された。
米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのJohn M. Giacona氏らは、高血圧の診断における立位血圧の有用性を検討した。立位血圧の感度および特異度は、Youden指数から得られたカットオフ値を用いて決定され、座位血圧の感度および特異度は、それぞれ130/80mmHgおよび140/90mmHgのカットオフ値を用いて決定された。解析対象者は125人（平均年齢49歳）であった。
解析の結果、座位での収縮期血圧の感度は43％、特異度は92％であった。立位での収縮期血圧/拡張期血圧について、Youden指数から得られたカットオフ値は、米国心臓病学会/米国心臓協会の2017年の高血圧ガイドラインによると124/81mmHg、欧州高血圧学会の2023年のガイドラインによると123.5/83.5mmHgであった。立位での収縮期血圧の感度は71％、特異度は67％であった。高血圧を24時間平均収縮期血圧≧125mmHgと定義した場合、立位での収縮期血圧のROC曲線下面積（AUC）は0.81で、座位での収縮期血圧（AUC 0.70）より有意に高かった。座位での収縮期血圧に立位での収縮期血圧を追加（同0.80）することで、高血圧の検出力は改善した。
論文の上席著者であるテキサス大学サウスウェスタン医療センターのWanpen Vongpatanasin氏は、「われわれの研究は、立位で血圧を測定することで、24時間自由行動下血圧測定や家庭血圧測定が必要な高血圧かどうかをより正確に判定できる可能性があることを示している」と述べている。（HealthDay News 2023年11月17日）
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