rTMSは統合失調症の展望記憶を改善する可能性

rTMSは統合失調症の展望記憶を改善する可能性

統合失調症患者に対する両側の高周波反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、事象ベースの展望記憶(PM)を改善するという研究結果が、「Neuropsychopharmacology Reports」に12月6日掲載された。

 Mental Health Hospital(中国)のFen Xue氏らは、統合失調症患者50人におけるPMに対するrTMSの効果を、健常対照者18人と比較して検討した。患者は20HzのrTMSの実治療(26人)または偽治療(24人)にランダムに割り付けられ、両側背外側前頭前野にrTMSを4週間で計20回施行された。治療前後に、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、陰性症状評価尺度(SANS)、PMテストによる評価が行われた。

 解析の結果、統合失調症患者は健常対照者と比較して、ベースライン時の事象ベースPMスコアおよび時間ベースPMスコアが低かった。rTMS治療後、統合失調症患者における事象ベースPMスコアが有意に改善し、健常対照者と差がなくなった。対して、時間ベースPMスコアに改善は見られなかった。いずれの群の患者でも、PANSSの陰性症状スコア、SANSのほぼ全ての下位尺度および合計スコアに有意な改善が見られた。

 著者らは、「rTMSが統合失調症患者に対するPMの治療法となり得るかどうかは、よりサンプルサイズが大きく、より厳密で合理的かつ科学的な臨床研究が必要である。近い将来、個人定義のネットワークに基づくrTMS療法は、統合失調症に対する新たな治療法となるかもしれない」と述べている。(HealthDay News 2023年12月6日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/mental-health/brain-stimulation-can-improve-prospective-memory-in-schizophrenia

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