腎機能障害がHFpEFと関連

腎機能障害がHFpEFと関連

軽度および中等度の腎機能障害が、左室拡張機能障害および左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)と関連しているとの研究結果が、「ESC Heart Failure」に11月27日掲載された。

 ユトレヒト大学(オランダ)のRobin W.M. Vernooij氏らは、腎機能障害と左室拡張機能障害パラメータおよびHFpEFとの関連を検討した。推算糸球体濾過量(eGFR)は、人種項目除外でクレアチニンとシスタチンCに基づいて算出された。多変量調整回帰モデルを用いて、eGFRとE/e'、左室心筋重量係数、相対的壁厚、ステージCおよびDの心不全との関連を検討した。対象となったのは、平均年齢62.9歳の880人で、そのうち軽度または中等度の腎機能障害を有した患者は406人であった(それぞれ37.6%、8.5%)。

 解析の結果、HFpEFの有病率は、軽度および中等度の腎機能障害者の方が、腎機能正常者より有意に高かった(それぞれ10.3%、16.0%、3.4%)。腎機能が低いほどE/e'値および相対的壁厚値が高いという関連が認められた。中等度の腎機能障害を有する人は腎機能正常者と比べて、米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)の定めた心不全ステージCまたはDである確率が高かった(オッズ比2.07)。

 著者らは、「中等度および軽度の腎機能障害と、拡張機能障害およびHFpEFとの間には、他のリスク因子とは独立した関連が認められた。この関連は軽度の腎機能障害ですでに認められ、中等度の腎機能障害でより強まった」と述べている。(HealthDay News 2023年12月20日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/kidney-dysfunction-linked-to-heart-failure-with-preserved-ejection-fraction

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