メニエール病(MD)のサブグループは、内リンパ水腫(EH)と眼振の有無に基づいて分類できるとする研究結果が、「Frontiers in Neurology」に1月11日掲載された。
大阪大学医学系研究科の上野裕也氏らは、眼振の記録映像と造影MRIを用いて、MD患者の男性22人と女性29人を層別化した。
解析の結果、EHは造影MRIによって患者の84%(43人)で検出され、そのうち31人が一側性EHであった。31人全員が、EHは蝸牛の症状を有する側の耳に検出された。眼振とEHの両方が認められた患者は38人(74%)であった。またEHのみを有する患者が5人、眼振のみが5人であり、どちらも見られなかったのは3人であった。眼振記録43例のうち32例で、回転性めまいエピソードの直後に、刺激性眼振(IN)が見られた。症例の44%で、眼振の方向は24時間後に逆転した。
著者らは、「このことは、EHがINを引き起こすことを意味している。すなわち、眼振を伴う特定のMDにおける回転性めまい発作の病態生理学は、内耳のEHであり、眼振を伴う特定のMDに本研究のほとんどの患者が該当していたため、日本めまい平衡医学会の基準により診断されたMD確実例の病態生理学は、内耳のEHである」と述べている。(HealthDay News 2024年3月6日)
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