深層学習による支援は皮膚疾患の診断精度を向上

深層学習による支援は皮膚疾患の診断精度を向上

深層学習による意思決定支援は皮膚疾患の診断精度を向上させるという研究結果が、「Nature Medicine」に2月5日掲載された。

 米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のMatthew Groh氏らは、認定された皮膚科専門医389人とプライマリケア医459人を対象に、ストア・アンド・フォワード(あらかじめ保管された画像を利用する環境)での遠隔皮膚科学シミュレーションにおいて、医師が回答した診断の精度を評価した。医師は、46の皮膚疾患にわたる364件の画像について、最大4つの鑑別診断を回答するよう求められた。

 解析の結果、診断精度は専門医で38%、一般医で19%であった。専門医と一般医のいずれも、色の濃い肌の診断では、色の明るい肌の診断と比較して診断精度が4%ポイント低かった。公平な深層学習システムによる意思決定支援は、専門医と一般医の診断精度を33%以上改善したが、一般医における肌の色による診断精度の格差を拡大した。

 Groh氏は「今回の研究から、人工知能による支援がどのように影響するかだけでなく、専門性の程度による影響の違いも知ることができる。その結果として見えてきたのは、プライマリケア医は経験が浅く、異なる皮膚疾患の異なる肌の色での見え方について深く理解していないために、疾患を除外すべきか否か分からないのかもしれないということだ」と、声明で述べている。

 なお、1人の著者がバイオテクノロジー産業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2024年2月16日)

 https://www.healthday.com/healthpro-news/skin-health/deep-learning-improves-diagnostic-accuracy-for-skin-diseases

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