中耳炎は聴覚と言語の発達に影響を及ぼす

中耳炎は聴覚と言語の発達に影響を及ぼす

中耳炎は聴覚と言語の発達に影響を与える可能性があるとの研究結果が、「International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology」1月号に掲載された。

 中耳炎が聴覚や言語の発達に及ぼす影響に関するエビデンスは一貫していないとして、米フロリダ大学のSusan Nittrouer氏とJoanna H.Lowenstein氏は、中耳炎の既往のある5歳~10歳の49人の小児と、中耳炎の既往のない68人の小児を対象に、これらへの影響を詳しく調べた。聴覚機能は時間分解能により評価し、小児の注意を維持するためのゲームを用いた。言語機能は語彙知識と音韻認識が測定された。

 その結果、中耳炎の既往の有無にかかわらず、小児の注意力は持続していた。中耳炎の既往がある小児では既往のない小児と比べ、聴覚機能の測定結果が低かった。言語機能は、中耳炎の既往のある小児の方が語彙知識と音韻認識の両方で測定結果が低く、音韻認識への影響の方が顕著であった。音韻認識のばらつきは時間分解能の障害により説明されたが、語彙知識のばらつきは説明されなかった。

 Nittrouer氏は、「耳の感染症はあまりに一般的であるため、長期的な影響はないと見なしがちであるが、全ての耳の感染症を真剣に受け止める必要がある。親は、痛みがなくても中耳貯留液のある可能性を認識し、医師と協力して子どもを注意深く観察するべきだ」と述べている。(HealthDay News 2024年1月9日)

https://www.healthday.com/medical-news-licensing/ear-nose-and-throat/otitis-media-has-impact-on-auditory-language-development

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