AIが認知症患者の死亡率予測に役立つ可能性

AIが認知症患者の死亡率予測に役立つ可能性

人工知能(AI)モデルによって、死亡リスクのある認知症患者の特定が可能になるかもしれないという研究結果が、「Communications Medicine」に2月28日掲載された。

 米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のJimmy Zhang氏らは、米国国立アルツハイマー病調整センター(NACC)の対象者4万5,275人と受診記録16万3,782件からなるデータセットを用いて、4つの異なる生存閾値における認知症患者の死亡率を予測する、機械学習モデルを開発した。

 その結果、1年、3年、5年、10年の全ての閾値について、9つの特徴を利用した倹約モデルが、0.82を超えるROC曲線下面積(AUROC)を達成したことが報告された。モデルには、主に特定の神経心理学的検査のような認知症に関連した予測因子が含まれ、他の加齢に関連した死因(脳卒中や心血管疾患など)の影響は最小限であった。また層別解析により、8つの認知症の病型において、共通または個別の死亡の予測因子があることが分かった。死亡の予測因子の教師なしクラスタリングによって、血管性認知症はうつ病とグループ化され、レビー小体型認知症は前頭側頭型認知症とグループ化された。

 著者らは、「これらのモデルにおける死亡リスクの高い認知症患者の識別能は、臨床診療に役立つ可能性があり、患者の転帰を改善するための早期介入や個々の患者に合わせた治療戦略をもたらし得る」と述べている。(HealthDay News 2024年3月5日)

 https://www.healthday.com/healthpro-news/health-technology/ai-may-help-predict-mortality-in-dementia-patients

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