代謝肥満手術は末期腎不全患者に腎移植の機会を提供する可能性

代謝肥満手術は末期腎不全患者に腎移植の機会を提供する可能性

肥満の末期腎不全(ESRD)患者では、代謝肥満手術(MBS)への紹介により移植への道が開ける可能性があるとの研究結果が、「Journal of the American College of Surgery」4月号に掲載された。

米テュレーン大学医学部のShauna Levy氏らは、ESRD患者の移植除外判定の理由としてBMI高値が多く見られることに注目し、腎移植を受ける前のESRD患者が減量手術を受けるための協同プログラムを作成した。患者183人が移植チームから肥満治療チームに紹介され、そのうち36人がMBSを受けた(ルーワイ胃バイパス術20人、スリーブ状胃切除術16人)。MBSを受けた患者のうち、10人がその後に腎移植を受け、15人は現在待機リストに掲載されている。

 BMIの平均値は、患者全例の紹介時点では46.4kg/m2であったが、移植時点では33.9kg/m2となった。降圧薬の数の平均値は、術前の2.0から術後には1.0に減少した。同様に、ヘモグロビンA1c値も術前の6.2から術後の5.2へと改善が見られた。全ての移植腎は現在機能しており、クレアチニンの中央値は1.5mg/dLであった。

 著者らは「MBSチームと移植チームの協同による努力は、他の方法では移植を否認されるであろう病的肥満を有するESRDの移植候補者に道を開くものだ。米国では肥満とESRDの有病率が上昇しており、この問題はますます大きくなっている」と述べている。(HealthDay News 2024年3月12日)

 https://www.healthday.com/healthpro-news/general-health/metabolic-bariatric-surgery-provides-pathway-to-transplant-in-esrd

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