幼児のスクリーンタイムの増加は親子の会話時間の減少と関連

幼児のスクリーンタイムの増加は親子の会話時間の減少と関連

生後12〜36カ月の幼児でのスクリーンタイムの増加は、親が発する言葉、子どもの発声、親子間の会話の減少と関連していることが、「JAMA Pediatrics」に3月4日掲載された論文で明らかにされた。

西オーストラリア大学(オーストラリア)のMary E. Brushe氏らは、前向きコホート研究のデータを用いて、220家族(女児120人)を対象に、子どもが生後12・18・24・30・36カ月の5つの時点でのスクリーンタイムと、親子の会話との関連を調べた。対象児の平均在胎週数は39.3(標準偏差1.5)週、出産時の母親の平均年齢は31.3(同4.8)歳だった。親子の会話として「親が発する言葉」「子どもの発声」「親子間の会話のやりとりの数」の3つの指標、および子どもがテレビや電子機器が発する音にさらされていた時間を、それぞれ16時間にわたり、Language Environmental Analysis(LENA)と呼ばれる高度な音声認識技術を用いて定量化した。

 線形混合効果モデルにより子どもの性別・月齢、母親の学歴などの因子を調整して解析した結果、スクリーンタイムの増加は、親子の対話の3つの指標全ての減少と関連していた。36カ月の時点では、スクリーンタイムが1分増えるごとに、親が発する言葉が6.6語〔標準化偏回帰係数(β)−6.6、95%信頼区間−11.7〜−1.5、P=0.01〕、子どもの発声が4.9回(同−4.9、−6.1〜−3.7、P<0.001)、会話のやりとりの数が1.1回(同−1.1、−1.4〜−0.8、P<0.001)減少しており、これは5つの時点の中で最大の減少であった。

 著者らは、「今や家庭生活の中にスクリーンタイムがあるのは普通のことだ。スクリーンタイムを上手に利用して、これを親子間の会話を促す良い機会とするために、家庭での言語環境を豊かなものにするのを邪魔する要因を減らすことを念頭に置いて、種々の手段を考え出すべきだ」と述べている。(HealthDay News 2024年3月4日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/child-health/screen-time-linked-to-decreases-in-measures-of-parent-child-talk

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