社会的および環境的に逆境的地域に住む人々は、心臓病や脳卒中の発症リスクが高いという研究結果が、「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に3月27日掲載された。
米Lahey Hospital & Medical CenterのSumanth Khadke氏らは、社会的および環境的曝露が、心血管リスクに及ぼす複合的な影響について検討した。分析には、2022年のEnvironmental Justice Index(EJI)、socio-environmental justice index(SE-EJI)、米国の国勢統計区の環境負荷モジュールランクが用いられた。
解析の結果、EJIの最高四分位群は、最低四分位群と比較して、冠動脈疾患(率比1.684)と脳卒中(同2.112)の発症率が高いことが分かった。さらに環境負荷モジュールランクの、最高四分位群は最低四分位群と比べて、冠動脈疾患(同1.143)と脳卒中(同1.118)の発症率が、有意に高かった。同様の結果は、慢性腎臓病、高血圧、糖尿病、肥満、高コレステロール、健康保険未加入、睡眠時間が1日7時間未満、余暇の身体活動なし、過去1カ月間に14日以上の心身の健康障害、でも見られた。
著者らは、「心血管疾患とそのリスク因子の有病率は、社会的および環境的な逆境的曝露の増大と大きく関連しており、逆境的環境曝露は社会的因子とは独立して、重要な役割を果たしている」と述べている。
なお1人の著者が、製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2024年3月29日)
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